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デボンの風景は地球でいちばん美しいといつも思います
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私にとってこの農場は特別です
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私が育った場所だからです
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私がふるさとと呼べるたった一つの場所です
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私はレベッカ・ホスキング
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代々続く農家の出身です
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でも子供の頃に私を魅了したのは
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農業より ここに住む野生動物たちでした
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このため私は動物映画製作の道を選びました
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でも私はここで農業をしに戻りました
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今それがとても重要な時なのです
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迫り来るエネルギー危機が農業に変革を迫り
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イギリスの田園風景を永遠に変えてしまうでしょう
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私達が何を食べるか
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どこで生産するかが変わるでしょう
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そもそも私達が食べていけるだけの食糧があるのか
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農場が存続するためには
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変わらなければなりません
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この番組では
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デボンのわが家の農場を未来に向けて
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変えていく方法を探す旅に出ます
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未来の農場
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私が南デボンの小さな家族農場の生まれだと聞くと
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きっと素晴らしい子供時代を過ごしたと思うでしょう
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私が育った頃のことを思い出してみると
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血のにじむような重労働のことばかりです
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うちは零細農家でお金もうけとは無縁でした
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うんざりするほどの重労働は
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ほとんど苦役でした
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農夫とは便所掃除人の美名だと
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父はよく言いました
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わが家は
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どの地方の農家でもそうだと思いますが
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子供には良い暮らしが出来るように望んでいました
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私には農業から離れて
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就職して良い暮らしをするようにと勧めました
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私は勧めに従いました
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私が故郷を離れているあいだ
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父とフィルおじさんは
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ずっと昔ながらの方法で農業を続けていました
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しかし今、私はここに戻る決心をしました
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つまり もうフィルも私も
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あと何年かすると引退しなければならん
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よそは廃業したところもあるが
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うちはここまで続けてきた
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できるかぎりね
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代々受け継いできたものだから
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誰かが引き継いで続けてくれるなら嬉しいことだよ
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でも いろいろあるから楽じゃないだろう
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食糧不足や 燃料価格の高騰や
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まったく 楽じゃないだろうよ
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「農地を売ってしまえばいい」という人は多い
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「そうすれば一生働くより多額のお金が一瞬で手に入る」
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でも私を育ててくれた美しい場所に背を向けるなんて
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そうは言っても
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父のように農場の野生動物を残したまま
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農業で生計を立てるのは
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ますます難しくなっている
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認めたくはないのだが
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この農場は野生動物の避難所だが
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もはや持続可能ではないのは よそと同じだ
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たとえ有機農場でも 私の知る全ての農場は
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化石燃料 とくに石油にすっかり依存している
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この依存には２つの危険がある
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気候変動のことはよく知られているが、
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欠かせない石油が間もなく供給不足になるという証拠が
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次々に明らかになっている
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昨年の燃料価格の高騰は深刻な影響があった
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その出来事は私を目覚めさせてくれた
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このひどい燃料価格高騰は
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世界的な石油生産が衰退を始めたなら
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何が起こるかを示す予兆に過ぎないのだ
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もしこれが本当なら
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わが家の農場を存続させるのは
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とても困難だということになる
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そこで私はこの分野で世界的な権威を訪ねた
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石油産業で地質学者として40年間働いた後
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アイルランド西部の村で今も研究を続ける
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コリン・キャンベル博士には
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石油資源問題の事実は明らかだ
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技術開発と研究知識 補助金など全て投入して
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世界中を探査しても
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ここ40年間は年を追うごとに発見が減っています
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1981年はある意味で転換点でした
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新たに発見されるよりも多くの石油を使い始めたのです
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過去に発見された資源の備蓄を取り崩し始め
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相続した遺産を食いつぶし始めたと言うこともできます
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我々がこの転換点に迫っているのは
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疑問の余地があるとは思えません
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特に農業と食糧確保に欠かせないこのエネルギーが
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衰退に向かっているのは
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人類にとっての転換点とも言えるでしょう
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石油生産のピークとその時期について激しい議論がありますが
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これは的外れだと私は思います
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今年か 来年か ５年後かというのは関係ありません
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問題なのは ピークのあとの減少が年2%から3%にすぎないという見通しなのです
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しかし、150年間の増加と150年間の減少とでは天と地の開きがあります
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コリン博士の要点は 燃料不足になるということだ
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その結果 長期にわたって経済が混乱する
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私は博士とほぼ同意見だ
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２年後か１０年後かは問題ではない
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私達の生活全体に与える影響は膨大なものになる
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私が最も心配するのは 農業への影響だ
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つまり私達の食べ物への影響だ
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毎日の食べ物にどれだけの化石燃料が使われているか
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考える人は少ないでしょう
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船に乗る前に買ったこのサンドイッチですが
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ばらばらにして材料をたどってみることにしましょう
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まずパンです
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世界のどこかで農夫が小麦の種をまいたはずです
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まずディーゼルエンジンのトラクターに乗り
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畑を耕し
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平らにならし 種を土に埋めていきます
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そして小麦が育つと
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病害虫から守るため大量の農薬をまかねばなりません
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殺菌剤、除草剤、殺虫剤
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全て石油から作られます
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そして養分も化学肥料です
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現在ほとんどの肥料は天然ガスから作られています
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小麦が熟すと収穫です
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小麦は巨大なヒーターで乾燥され
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加工工場までディーゼル燃料を使って輸送されます
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もう街角のおばあちゃんの小さなパン屋さんではありません
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このようなパンを作るのは巨大産業の工場なのです
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次にサンドイッチの中身です
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ハムは豚肉ですね
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これはもっとエネルギーを消費します
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豚は穀物を食べて育つからです
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１頭の豚は500キロの餌を食べます
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そしてこの 名ばかりのサラダが入っています
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船か飛行機で運ばれてくるのは
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加温された温室で栽培された野菜
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やはり大量のエネルギーです
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これら全ての材料は 加熱したり冷やしたりして調理され
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何マイルもの道のりを冷蔵トラックで運ばれ
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やっと組み立てられてサンドイッチになります
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ほとんどの食べ物と同じように
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このサンドイッチは石油づけです
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今日の食糧生産の方法では
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このような場所がなければ
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私達の食べるものはなくなってしまうのです
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私はアイルランドでたくさんの疑問がわいた
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わが家の小さな農場でさえ
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化石燃料がなければ
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農作業はすぐに不可能になり
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そのあとは
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自然保護区になってしまう
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自然保護区で食べ物は得られない
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こんなに深刻な問題なのだから
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他の農民たちも私と同じように
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関心を持っていると思った
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どちらに進むべきか考えている人も中にはいるだろう
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手始めは
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イギリス農業の将来についての有機農業団体
ソイルアソシエーションの大会
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真夜中でもスーパーに行けば何でも買えるから
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関係ないとほとんどの人が思っているでしょう
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この仕組み全体が危機に瀕しているのです
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イギリスの食糧はどうなるんですか
ロンドンの食糧はどうなるんですか？
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世界の石油の40%は500ヶ所ほどの巨大油田で
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1日5億バレル生産され、そのほとんどは…
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みな危機感を持っている
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ここで聞いた話からわかるのは
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エネルギー危機は目前に迫っていること
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遅くとも2013年までに影響は
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単なる石油危機ではなく
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石油エネルギー飢饉という形で
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現れるでしょう
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農家は、古代の太陽エネルギーである石油とガスではなく
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現在の太陽エネルギーを使う方法に
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切り替える必要があります
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これは産業革命以後の農業が直面した最も大きな難題だと思います
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私達には ほとんど時間がありません
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政府の協力が得られるならそれに越したことはありません
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しかし政府が乗り気でないなら自力で何とかしなければなりません
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これが食糧問題の新しい原則なのです
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さもなければ我々は破滅するでしょう
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農民の会議で見えてくるのは
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簡単な解決法はないということだ
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農地と機械にこれほどエネルギーが必要なのに
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石油無しでやっていく方法はあるのだろうか
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代替エネルギーの波は怒濤のように押し寄せている
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要求を満たすのはどれだろうか
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カリフォルニア州のポスト・カーボン研究所で
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石油枯渇問題への取り組みを産業や政府に助言している
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リチャード・ハインバーグ氏がインターネットで話を聞かせてくれた
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風力・太陽・原子力を合わせれば
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石油枯渇はそれほど大きい問題でしょうか？
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代替エネルギー源の開発を長いこと待ち続けましたが
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それら全てを合わせても
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石油を使うことに慣れてしまった産業社会に
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十分なエネルギーを供給することは
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できない可能性があります
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我々が作ってしまった生活様式は
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根本的に持続不可能なことを
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理解する必要があります
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エコロジーの問題として無責任なだけでなく
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そもそも続けられないのです
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リチャード氏が語る難題の大きさは
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バイオ燃料をみると明らかだ
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ナタネはこの気候で最も生産力の高いバイオ燃料作物だ
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イギリスの石油消費量からすると
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このような1.6ヘクタールの農場の1年分の収穫は
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たった1/3秒足らずで消費されてしまう
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現在の農業にはほとんど何の助けにもならない
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自動車 トラック 飛行機など運輸を除けば
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農業は最も化石燃料に依存する産業です
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この産業社会では
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約10カロリーの化石燃料エネルギーを使って
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1カロリーの食物を生産します
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これは我々自らが招いた大問題なのです
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私達はこれまで農業の重大問題を解決してきた
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過去50年間で
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農業技術は穀物生産を3倍にし
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自然界の制約を克服してきた
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しかし この進歩は全て
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豊富な化石燃料に依存している
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ある意味この新しい問題に対処するには
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正反対の方向に来てしまった
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遺伝子操作のような最新の技術も
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他の議論はさておき
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他の技術と同じく完全に化石燃料に依存している
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ではその結果 何が起こるのだろう？
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じっさい 途上国だけでなく
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先進国でも食糧生産は崩壊する可能性があります
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アメリカ、カナダ、オーストラリアのような
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富める食料輸出国でさえもです
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地球規模の飢饉を避けるには
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農業システム全体を素早く作り替えねばなりません
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では 馬や荷車や手作業の農具を使った農場に戻るのだろうか
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私自身はそのやり方を知らないし
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現代のほとんどの農家もそうだろう
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このような農法の知識はほとんど失われてしまった
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しかし隣の農家にそれを覚えている女性がいる
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古くからの知り合い パールさんだ
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あ〜ら いらっしゃい
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お茶をお待ちかい？
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いつも餌ばっかりねだって
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りっぱな牛ですねえ
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そうとも かわいいもんさ
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それは何に使うか知ってるかい？
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いいえ？
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何年も前に干し草の山を作るのに使っていたものよ
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干し草をみんな外に出して乾かしていましたね
-
外で干すのよ
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そして荷馬車でやって来て
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荷馬車いっぱいに干し草を積み込むの
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干し草を荷馬車に収まるように切るの
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こんなふうにやったのよ
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実際そうやって切っていたんですか？
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そう こんなふうに。
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すごく重かったんじゃないですか？
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ネズミじゃないのよ
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大柄じゃないけど私は力持ちだったのよ
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神様は私に強い力をくれたのよ
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そんなに力持ちだったなんて神様のおかげね
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今の農作業がどれだけ楽になったことか
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そうよ
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人の力で出来ない仕事には馬を使った
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パールさんは馬を扱う名人だった
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パールさん あれを見て
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あれを見て
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そうそう 私が使った「くつわ」
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あれがくつわね
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いくつ持っていたんですか？
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大きな馬車馬を３頭飼っていたから
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そうでしたね
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荷馬車は馬１頭で引けないほど重くなることがあるの
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１頭目の馬を首輪の付いた前の手綱に結び
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残りの２頭は
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２本の鎖で馬車の前につないだの
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文字通りもうちょっと馬力が必要なときは…
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引っ張る馬を付けるの
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坂を上るためにね
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パールさんが重労働を支えるために使っていた動力は
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たった２馬力だった
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今では農業用トラクターは400馬力にもなる
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何かの間違いでは？
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400馬力…
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いったいどんな意味だろう
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馬400頭…
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これがいま石油から得ている力なのだ
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現代のエネルギー源は
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220億人の奴隷が昼も夜も働いているのに
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等しいことをご存じでしょうか
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石油という形で働いてくれる膨大な奴隷と
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私達は暮らしているのです
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しかし今世紀の終わりまでに奴隷はいなくなる
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私達が直面している変化はこれほど大きいのです
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近代社会のあらゆる側面が影響を受けます
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時代は変わったと いつも思います
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牛を飼うためだけでもこんなに仕事があるのに
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牧草さえあれば
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あとは機械がみんなやってくれるから
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座って待つだけ
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息子さんたちは
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昔のような方法でやってくれるでしょうか？
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いいえ やりたいとは思わないでしょう
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それが常識だからね
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でも私は幸せだったよ
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このような農法には もう望んでも戻れない
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パールさんが若かった頃
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イギリスには10倍の農民がいて
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養う人口は半分だった
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またイギリス農民のほとんどには
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つらい肉体労働に耐えられる体力が残っていない
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いまイギリスの農家平均年齢は60歳だ
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さらに農業人口はあと15万人しか残っていない
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産業としてのイギリス農業は
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もはや死に絶えていく運命にある
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最近は海外からの食物輸入が増えている
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イギリスは大幅に食糧輸入超過なので
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これは非常に危機的な状況なのです
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輸入される食物は
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船でも飛行機でも
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化石燃料を使って運ばれて来ます
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化石燃料が枯渇し価格が高騰すると
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食物もまた高騰することになり
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食糧供給システム全体がきしみ始めます
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現実には 私が変化を起こせる場所はここだけ
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それも見た目ほど単純ではない
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わが家は伝統的な畜産農家だ
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牧場で肉牛と肉羊を育てるのに
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化石燃料がそれほど必要だとは見えない
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しかし大きな問題がある
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冬に肉牛や乳牛を畜舎に入れるのは
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この国の気候では重要なことです
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放牧したままにすれば
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草を食べ尽くしてしまうので牧草地に悪いし
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次の春までに草地が回復できなくなってしまいます
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畜舎の中にいる牛たちは草にありつけません
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だからこの干し草を牛に与えるのです
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牧草の収穫が
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この農場で燃料を必要とする
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唯一最大の機械作業なのです
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そんなわけで私はシュロップシャーのとある農場に魅了された
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シャーロット・ホリンズと弟のベンが営む農場だ
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フォードホール農場はわが家の農場とほぼ同じ広さで
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牛と羊を飼っているが
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牛は冬の間じゅう牧草地に出されたままで
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追加のえさはほとんど必要ない
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私には信じられなかったが
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その結果 必要な機械は四輪バギーだけだ
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この秘密は足下にある
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この草だ
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イギリスには何百種もの野草があるが
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農家が利用するのはたった4種類で
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種苗会社から袋入りの種を買う
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しかしフォードホール農場では違う
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ここには約20種類の草があります
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耐寒性の強いものもあるし 成長が早いのもある
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土の深くまで根を張ってミネラルを吸い上げるものもあれば
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根の浅いものは表面の土を保護してくれます
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ここの草をよく見れば
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しっかりした緻密な構造がすぐに分かります
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ツイード織物のようですね？
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そうです 土の中も根がびっしりと敷き詰めたようです
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これを突き破るには大変強い力が要ります
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だから牛たちに踏まれてすぐに泥地になったりしません
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牛や羊たちはその恵みを受けます
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農家もえさをたくさん買い入れる必要がありません
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年々これが上手くいくのがわかってきます
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牧草が生え 牛が育ち 羊が育ち
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それを売って生計を立てることができます
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石油の値段がどうなろうとも
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この仕組みがあればやっていけます
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しかしこの驚くべき草々は偶然できたのではない
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シャーロットとベンの亡き父アーサー・ホリンズは
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地域の伝説的人物で農業の未来を予見していた
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父は戦争の直後から自分の方法を始めましたが
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父は一生かかってこの仕組みの改良を続けました
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父が「これでいける」と言ったのは2005年に亡くなる直前のことでした
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「正しい草を選ぶことができた。素晴らしい牧草地だ」と
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わが家の農場の土はフォードホール農場とは全く違う
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だからアーサーが選んだ草は
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デボンのわが家の農場には合わないかもしれない
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でも他の種類の草で試してみる価値はある
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どんな種類の草が適しているかを知るのは
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注意深い観察の結果なのかもしれない
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それこそがアーサー老人のしたことであり
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牧草地は肥沃とは限らないからである
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父は素晴らしい観察眼を持っていて森を歩き回っていました
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父は夏の間にそこで何が育っているかを見て
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手を触れずに観察しました
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人が何も育てていないのに
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自然にそうなっていたのです
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地表10センチぐらいは葉が降りつもって
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生き物がいっぱいいました
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クモやワラジムシやムカデなど
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その下をもう少し掘るとミミズが出てきます
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しかし毎年耕している畑には生き物はいませんでした
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生き物の気配のない死んだ土です
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死んだ土ですね
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父は何百万種類ものバクテリアや菌類が
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土を肥沃にし養分を循環させていることを知りました
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バクテリアや菌類が養分を体内に保存し植物に与えますが
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父の畑の土にはいなかったのです
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この足下は典型的な森の土なのですが
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この豊かさを見て下さい
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素晴らしい 豊かな表土です
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つまり その土の中にも小枝とか
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落ち葉のかけらが混じり
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ゆっくりと分解されて土を作ります
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ミミズや虫たちがその仕事をやってくれるのです
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食べて 体内で処理されて ミミズのうんちになる
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それが土になって 植物の養分になりますね
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この生き物がいなければ
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植物を養い生態系を維持するものがいなくなります
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アーサーは森から学んだ教訓から
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土を甦らせるには
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農業の最も根本的な原則に
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背を向ける必要があることを悟った
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父が発見したことで最も重要なのは
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日光に晒されると土は傷つくと言うことでした
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つまり耕耘と反転です
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皮膚を剥がすようなものだと父はいつも言いました
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良いことじゃありませんよね
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生きていけなくなりますからね
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なぜ土を耕すのか
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なぜ土の中の生き物たちを皆殺しにしてしまうのか
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結局は一番の友達だというのに
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では耕すなと言うことですか？
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そうです
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人類は1万年も耕してきたんですよ
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それが農民の仕事です
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不耕起は農家にとっては非常に急進的な考えだ
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しかしわが家の農場の古い映像からも
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耕すことの害は明らかだ
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これは80年代のわが家の農地の風景だ
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土の生き物は鳥たちのごちそうだ
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同じ扱いを20年にわたって受けた結果
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鳥はいない 土は死んだ
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土を反転することは何千年にもわたって
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農業の一部だった
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でも筋肉の力だけなら
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その害は徐々にしか現れなかったのだろう
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ディーゼルエンジンの力によって破壊は一気に加速した
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近代農業が土中の生き物を殺してやっていける理由は
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化石燃料に別の使い道があるからだ
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こんどは化石燃料を化学肥料に変えた
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この粒々が植物のに必要な３要素を含んでいる
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窒素・リン酸・カリ
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イギリスで生産される95%以上の食べ物は
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完全に化学肥料に依存している
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これがなければ大変なことになる
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我々は化石燃料を
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死んだ土で植物を育てるために使ってきました
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安い化石燃料があって
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窒素肥料を作ったり輸送のために使えるかぎり
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この方法は上手くいきます
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しかし安い化石燃料が無くなれば
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再び生きた土が必要になるのです
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そして生きた土を作るには時間と手間がかかるのです
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一夜にしてできるものではありません
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ここはわが家の農場で代表的な場所で
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「花まきば」と呼んでいます
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ここは耕されたり化学肥料を撒いたことはありませんが
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見るからに豊かに茂っています
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この場所全体が生き物であふれ
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花が咲き乱れ 晴れた日には生命力を感じます
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木々には鳥が来て 羽音がぶんぶんと
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そこら一面に鳴り渡って こんなにたくさんの虫たちがいるのです
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とくに夕方ここに踏み込み通り抜けると
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虫たちが一斉に飛び立って雲のように見えます
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これがみんな健康な生きた土の上に成り立っているのです
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フォードホール農場を見て
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この牧草地を発展させれば
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石油依存を減らせることが理解できた
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しかし牧草がどんなに良くても
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牛を育てるには広大な土地が要る
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この分野の研究はどれも
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イギリスの自給率を上げるには
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肉食を減らす必要があると結論している
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おそらく私達は 農業の方法だけでなく
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何を作り育てるかも多様化しなければならないと
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私には分かってきた
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私はここで引っ掛かってしまう
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耕さずに自然の養分だけで
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牛を飼うことは想像できるが
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その他の必要なものはどうやって作るのだろう？
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すでにこの問題に取り組んでいる人たちは
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世界中に何人もいるようだ
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彼らはパーマカルチャーというシステムを作り上げた
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イギリス一番の専門家はパトリック・ホワイトフィールドだ
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パーマカルチャーは農業の普通のやり方全てに異議を唱えているように見える
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普通の人はこう考えます
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やり方には２通りあって
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一つは辛い肉体労働
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もう一つは化石燃料を投入するやり方
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パーマカルチャーは第３の方法で
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それは意識的な設計によるものです
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では基本的に 設計で労働をなくすのですか？
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それとも設計でエネルギーを不要に？
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その両方です
-
では、なぜこれほど多くの手間とエネルギーが
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農地を維持するために必要なのでしょう
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自然の生態系を見て
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この後ろにある森を見れば自然に自活しているのに？
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これが自然が望むものとは本質的に違うからです
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完全に自然に任せれば あんなふうになるでしょう
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これが低エネルギーの道です
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自然の生態系に作業はありません
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人間による作業ですが
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そして廃棄物も出さず繁栄しています
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ご覧なさい
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イギリスがかつて森で覆われた島だったことを忘れそうになる
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私達が農業に費やすエネルギーの大半は
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これが元に戻るのを食い止めるためなのだ
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しかし森林は何百年もかかってこの気候に適応し
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最も効率的に生育できるよう進化してきた
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ならば 食物を生産する最良の方法を考えるには
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森林からのメッセージを聞くべきだと思う
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しかし明らかな問題は
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木は食べられないということだ
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野生のベリーの中には食べられないものもあって
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トウモロコシ畑じゃないですから
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もちろんです
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いやいや これは大した問題じゃありません
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我々がやるべきことは この原理を利用して
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もうちょっと食べられるように
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どこまで修正できるか試してみるのです
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自然生態系に基づいた食糧生産システムは
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自然主義者の私にとっては魅力的だが
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農家の娘としてはもっと説得力が必要だ
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一番聞きたかったのは
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パーマカルチャーでイギリスは自給できますか？
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良い質問だね
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そもそも問うべきなのは
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今の方法でイギリスの食糧生産を続けられるかということ
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そうですね
-
そう 実際それが疑わしいのです
-
長期的には 現在の方法がだめなのは確実で
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完全にエネルギーに依存しているからです
-
特に化石燃料エネルギーに
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だから違う方法を見つける以外ないのです
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昨年なら 私はパーマカルチャーをまともな農法とは考えなかっただろう
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しかし石油資源の現状を知ると
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どうやっているのか実際に見たくなった
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スノウドニア山中の小さなパーマカルチャー農園を
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私は訪ねることにした
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私が見慣れた農場は
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牧草地の中に木立が点々とある姿だ
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しかしここでは正反対だ
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広大な森林の中にいくつもの小さな伐採地がある
-
農場のようには見えないが
-
これが秘訣なのだ
-
１週間に２〜３日働けば
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クリス・ディクソン夫妻は
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果物、野菜、肉、それに調理に必要な燃料など
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全てを手に入れることができる
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しかし20年前に夫妻がここに来たとき
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ここは荒れ果てた牧草地だった
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最初にしたことは
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土地のほとんどを自然の状態に戻すことだった
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そして地力が戻ってきた
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再生した森林を観察すると
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農園の設計に必要な全てのヒントが得られた
-
でも森ですよね 混沌とした
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混沌としてますが ここの混沌はきわめて秩序立ったものです
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高度な構造を持っているのです
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ごちゃごちゃ散らかっているように見えるだけです
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自然は全く別の見方をします
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全ての植物がその場所で重要な役目を持っています
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たとえば ハリエニシダは窒素を固定し
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ワラビはカリウムを集めるといった具合です
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全ての植物は大切だという感じがします
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ディクソン夫妻の農園はどこへ行っても野生動物で溢れている
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生物多様性は重要ですか？
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鳥も鳴いていますね
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農園にとってどれほど重要なんですか？
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とても重要です
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鳥やその住み処を大事にすれば
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農園にリン酸を循環させてくれます
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リン酸は全ての植物にとって
-
必須の栄養素です
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リン酸は昆虫や種子に含まれているので
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昆虫や種子を食べる鳥たちは
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リン酸を集め
-
余分は糞となって出てきます
-
したがって山の中では
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化石燃料から作られた肥料の袋は必要ない
-
みな自然がやってくれる
-
窒素、カリ、リン酸
-
石油から作る殺虫剤も必要ない
-
キャンベル種のアヒルがナメクジを捕ってくれます
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22年間アヒルを飼っています
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キャンベル種がいちばんナメクジをよく食べます
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本当ですか、いいですね
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ここでは夏の間も
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ナメクジがいないというのは素晴らしいことです
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そうですね
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ガーデニングをする人が見たら
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クリスの野菜ガーデンは乱雑に見えるかもしれない
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しかし森のように全ての植物は役目を持っている
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たとえば 虫除けになるものもあれば
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排水を助けるものもある
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花粉を運ぶミツバチを呼ぶものもある
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長い根で土の深くからミネラルを吸い上げるものもある
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この森で一番大きい伐採地は
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家畜の牧草地になっている
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しかし家畜たちは草だけを食べるのではない
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木も利用している
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栄養豊富なヤナギ、シナノキ、トネリコは飼料に使う
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動物に樹木を食べさせる
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想像もしなかったことだ
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わが家の農場に森はそれほど無いが
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見事な生け垣があって
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わたしは違う目で見るようになった
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生け垣は単に土地の仕切りだと思っていました
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この農場では
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野生動物の通り道だとは思っていましたが
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ここから作物を収穫できるなんて思いませんでした
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飼料だけでも大きな可能性がある
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牛がトネリコをこれほど好むとは気付かなかった
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豊富な果物もある
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まったく手間を掛ける必要はない
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注意深く導きさえすれば
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生け垣からこんなにたくさんの作物が得られる
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皮肉にも 生け垣で囲まれた牧草地より生け垣そのもののほうが
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はるかに生産性が高く手間もかからないことを知った
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何も加える必要はなく 自活していて
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世話をする必要は無く
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豊かな実りを与えてくれます
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豊かに実るのは 木々がここで活きたいと望んでいるからです
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ここに成るべくして成った自然の食べ物です
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違うのは 横ではなく上に成長することです
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木々や生け垣の高さをフル活用すると
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同じ広さの土地からはるかに高い収量を上げることができる
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わが家の農場からほど近い場所に
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食物を作るこの方法を極めたヨーロッパで最良の実例があった
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こんな場所があったとは今まで全く気付かなかった
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この先進的なシステムを作ったのはマーティン・クローフォード氏だ
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このフォレストガーデンには多種多様な樹木や灌木 その他の作物があります
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すべて混植され 注意深く設計されています
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すべては協調的に働き 同じ場所で多様な収穫が得られます
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樹木の間隔を注意深く決めれば
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木々の間の地表に十分な日光が当たり
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そこに作物を育てることができます
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フォレストガーデンはパーマカルチャーの一部で
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その設計は自然からヒントを得ています
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自然の森林の生産性がとても高いのは
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たくさんの層を作っているからです
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それは６つの畑を積み重ねたようなものです
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フォレストガーデンは森林の層状構造を模倣しますが
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食物の採れる望ましい植物を使います
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足下にあるとても背の低いこれはネパール・ラズベリーです
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土を冬の雨から守ってくれる素晴らしい植物です
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草取りの手間を省いてくれますね
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ええ、草取りは全く必要ありません
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農園の地表は果物と野菜で覆われ
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その上には灌木の層があって
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風変わりだが豊富な果実が実っている
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いくつかあるサンザシの一種です
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大きなトゲがありますが 実は大きくて味も良いです
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反対側にはクワの実です
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最近では桑畑を見ることはありませんね
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はい でも美味しい果物ですし育てるのも簡単です
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フォレストガーデンで採れる大きな葉物野菜はシナノキの葉です
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私はサラダの基本材料に使っています
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レタスみたいに
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これがレタスの代わりになるのですね？
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そうです
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大きなレタスですね マーティンさん
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もう少し上には果樹があって
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リンゴ、ナシ、セイヨウカリン、スモモ、カリンなどがある
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その上の林冠では 食物を生産しない樹木が
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養分の循環のような他の重要な機能を
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果たしている
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イタリア・ハンノキが良い例です
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すくすくと成長し
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周囲の植物に窒素を供給します
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根からですか？
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落ち葉にはまだ窒素がたくさん含まれていて
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根からも 有用な菌類を通して供給されます
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菌類は地下のあらゆるものを結び養分を運びます
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ある場所で土に窒素が多くて
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他の場所で窒素が欠乏していれば
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菌類が運んでくれます
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すべてに存在理由があるのですね？
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存在理由はすべてに 複数あるのが普通です
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後ろにミントがありますが
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これはホースミントでイギリス在来種の一つです
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このミントの主な役目は有益な昆虫を引き寄せることです
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ハナアブが寄ってくるのは素晴らしい
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これはアブラムシを食べてくれます
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ですから 益虫を引き寄せる植物があれば
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害虫の問題はありません
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殺虫剤は要りませんね？
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そのとおり
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すばらしい
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マーティンのフォレストガーデンには550種類以上の植物がある
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成長を続けるこの複雑なシステムだが
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絶え間ない世話が必要なのだろうか？
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１年を通して平均すれば １週間に１日働くだけで
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そのほとんどは収穫です
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なるほど
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維持管理という意味では
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そうですね 年間10日ぐらいです
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何ですって！
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農場を維持することに比べたら 手間は無いも同然だ
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でも どれほどの食糧が収穫できるのだろう？
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収穫が最大になるように設計すれば 非常に多収にできます
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このフォレストガーデンは最大収量のため設計したものではありません
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いろいろ実験していますし 試している珍しい作物などもあります
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最大収量のために設計したなら
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40アールで10人を養うことができるでしょう
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本当ですか？
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これは40アールの従来の耕作地で養える人数の
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約２倍だ
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これは驚くほど低エネルギーで手間いらずのシステムだが
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フォレストガーデンで作ることができないものは穀物だ
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私達は炭水化物が多い食事の中毒になっているようなものだ
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しかし石油はさらに値上がりし 農業は変わり始めている
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私達は食事を多様化し新しい食物を取り入れることが必要になるだろう
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フォレストガーデンから少し下りたところに
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マーティンは1.6ヘクタールのナッツ園を作った
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これはとても役立つでしょう
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穀物を減らしてナッツを増やすことができれば
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木に成るものなので より持続可能になります
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フランス、イタリアなどヨーロッパの他の地域では
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ヘーゼルナッツ、クリ、クルミの栽培が昔から盛んです
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クリのような果樹は
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小麦畑よりずっと少ないエネルギーと維持管理しか必要としません
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エネルギーと維持管理は少ないかもしれない
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でもナッツの収量はほんとうに穀物に匹敵するのだろうか
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クリを例に取れば 40アールで２トンぐらいでしょう
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小麦の有機栽培に比べたらかなり多いと言えます
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クリの成分は じつはコメとほとんど同じです
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カロリーという点でも他の穀物とよく似ています
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この実験段階でさえ
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マーティンのナッツ園とフォレストガーデンは
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狭い面積から大きな収量を上げている
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ウエールズの ディクソン夫妻の小さな土地でも
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同じような生産性の話がある
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敷地全体で2.8ヘクタールあります
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22年間で再生した自然に私達が手を入れて
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一家では収穫しきれないほどです
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ですから本当は 小さい方が良いのです
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私にとって 農業とガーデニングは大きく違います
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私は農民ではなく 庭師だと思っています
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農民ではなく庭師が
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将来のあるべき道だとおっしゃりたいのですか？
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ガーデニングが農業より優れているとは言いません
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ガーデニングは農業とは別のものです
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しかし私が農園で実践したり研究したりして
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その経験からわかるのは
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手作業と道具でガーデニングをするほうが
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農業よりエネルギー効率で優れているということです
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小さな土地で細部に目を配るから
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ガーデニングが農業より生産的になるのです
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野菜ガーデンは経験豊富な庭師の手にかかれば
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平米あたりの収穫は大規模農場の５倍に上る
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スーパーマーケットは運輸に依存している
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ここへ食糧を供給する工業的規模の農場は
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石油資源が衰退すれば存続は難しいだろう
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しかし たくさんの野菜園、市民農園、小農園が
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難なくこれを補うことができるだろう
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しかし 育てる人がいればの話だ
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21世紀の人口動態は
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田舎への回帰が優勢になると私は思います
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すべての都市が消えると言うわけではありません
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食糧生産に直接携わる人の割合が増加するということです
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たとえば 第二次大戦のことを思い出してみましょう
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「勝利の農園」運動で人々はみな家庭菜園を作り
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約40%の果実と野菜は庭や空き地などで生産されました
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これが良いモデルになるでしょう
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しかしフルタイムの農民がもっと必要になります
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そうしなければ何を食べると言うのでしょう？
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石油資源が衰退していく中で食糧を供給するには
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政府の力が必要なのは明らかで
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少しだけ政府が主導するのが理想だ
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しかし私には この農場を脱石油することしかできない
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私が会った先駆的な人たちが大きなヒントをくれた
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土地を観察し 土地を敵に回さず共に働くことを学んだ
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多種多様な草々と
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牧草地を改良する方法に魅惑された
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牛のために樹木を最大限に利用する方法も知った
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しかし家畜だけでなく他の作物を作ることも必要だろう
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あと数年のうちに ここにフォレストガーデンが
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実現できるかどうかは分からない
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父がそれをどう思うかはよく分からないが
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このアイデアを実行するには
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農場の野生動物を守り続けることが必要だ
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そして生物多様性をもっと高めるために
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努力を続けなければならない
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私は生物多様性を讃える映画を作ってきましたが
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私達にとってその重要性はずっと大きいのです
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共に暮らす美しい生物が
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生物多様性だと思っていました
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でも生物多様性について大切なことを学びました
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私達の命を支え、食糧を与え、食糧を守ってくれる
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だから生物多様性を守ることが大切なのです
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父と伯父がこの農場を守ってくれたことにとても感謝しています
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でもやるべき仕事はまだたくさん残っている
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わが家の農場を未来の農場に変えたいという私の衝動は
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試してみる以外にないと分かったからだ
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私が会った全ての人々の中で
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コリン・キャンベル博士が最も的確に述べている
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いま疑い無く言うことができるのは
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今世紀の終わりまでに「石油人」は絶滅するということだ
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これは厳しく困難な問いを投げかける
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ホモ・サピエンスは名前に劣らぬ知恵があるのか？
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あらゆるものの血液となってしまった石油なしで
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生きていく方法をあみ出すことができるのか？
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そして 新しい低エネルギーの未来世界への移行を
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開始するのが早ければ早いほど
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容易に移行できるように思われる
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（字幕翻訳：酒井泰幸）
