0:00:00.000,0:00:03.000 最初にご紹介するロボットはSTriDERです 0:00:03.000,0:00:05.000 「三脚動的自励式試作ロボット」 0:00:05.000,0:00:07.000 という意味です 0:00:07.000,0:00:09.000 3本脚のロボットで 0:00:09.000,0:00:12.000 自然からヒントを得ました 0:00:12.000,0:00:14.000 でも自然界に3本脚の生き物なんて 0:00:14.000,0:00:16.000 いたでしょうか? 0:00:16.000,0:00:18.000 たぶんいないでしょう 0:00:18.000,0:00:20.000 ではなぜ? どんな風に動くのでしょう? 0:00:20.000,0:00:23.000 それをご説明する前に ポップカルチャーにちょっと目を向けましょう 0:00:23.000,0:00:26.000 H G ウェルズの「宇宙戦争」の小説と映画はご存じでしょう 0:00:26.000,0:00:28.000 今映っているのは 0:00:28.000,0:00:30.000 人気ゲームの一場面です 0:00:30.000,0:00:33.000 この架空の物語の中では 地球を脅かす宇宙人が 0:00:33.000,0:00:35.000 3本脚ロボットとして描かれています 0:00:35.000,0:00:39.000 でも私のロボット STriDERはこんな風には動きません 0:00:39.000,0:00:42.000 これは動的シミュレーションの動画です 0:00:42.000,0:00:44.000 ロボットがどんな風に動くかご覧ください 0:00:44.000,0:00:47.000 ボディを180度反転させています 0:00:47.000,0:00:50.000 1本の脚を 他の2本の脚の間に通し 倒れ込むのを支えます 0:00:50.000,0:00:52.000 こんな風に歩くわけです 0:00:52.000,0:00:54.000 人が二足歩行するときだって 0:00:54.000,0:00:56.000 筋肉を使って脚を持ち上げて 0:00:56.000,0:00:59.000 ロボットみたいに歩くわけではありません 0:00:59.000,0:01:02.000 実際には 脚を振って 倒れるのを支え 立ち上がり 0:01:02.000,0:01:05.000 脚を振って 倒れるのを支え…という具合にやっています 0:01:05.000,0:01:08.000 体自体の重みや物理的な特性を ちょうど振り子のように 0:01:08.000,0:01:10.000 利用しているのです 0:01:10.000,0:01:14.000 私たちはこれを受動動的移動と呼んでいます 0:01:14.000,0:01:16.000 私たちが歩くときも同じです 0:01:16.000,0:01:18.000 位置エネルギーから 運動エネルギーへ 0:01:18.000,0:01:20.000 位置エネルギーから 運動エネルギーへ 0:01:20.000,0:01:22.000 繰り返し落下するプロセスです 0:01:22.000,0:01:25.000 だから自然界にこんな生き物はいないにしても 0:01:25.000,0:01:27.000 実際に生物からヒントを得て 0:01:27.000,0:01:29.000 生物が歩く原理を応用しているのです 0:01:29.000,0:01:32.000 だから生物をヒントにして作ったロボットというわけです 0:01:32.000,0:01:34.000 これは私たちが次にやりたいと思っていることです 0:01:34.000,0:01:38.000 脚を畳んで遠くへ打ち出します 0:01:38.000,0:01:41.000 それから脚を出します スターウォーズみたいですね 0:01:41.000,0:01:44.000 着地時はショックを吸収し 歩き出します 0:01:44.000,0:01:47.000 この黄色いのは殺人光線じゃありませんよ 0:01:47.000,0:01:49.000 単にカメラか他の種類の 0:01:49.000,0:01:51.000 センサーを表しています 0:01:51.000,0:01:53.000 高さが1.8メートルあるので 0:01:53.000,0:01:56.000 藪のような障害物があっても見渡すことができます 0:01:56.000,0:01:58.000 プロトタイプを2つ作りました 0:01:58.000,0:02:01.000 最初に作ったのが 後ろにあるSTriDER Iで 0:02:01.000,0:02:03.000 手前にある小さいのがSTriDER IIです 0:02:03.000,0:02:05.000 STriDER Iの問題は重すぎることです 0:02:05.000,0:02:08.000 関節の調整などに使うモーターが 0:02:08.000,0:02:10.000 たくさん入っていたためです 0:02:10.000,0:02:14.000 それで機械的な機構を統合し 0:02:14.000,0:02:17.000 1つのモーターですべての動作を 0:02:17.000,0:02:19.000 制御できるようにしました 0:02:19.000,0:02:22.000 メカトロニクスを使わずに機械的なもので問題を解決したのです 0:02:22.000,0:02:25.000 新しい方は本体が軽いのでラボの中でも動かせます 0:02:25.000,0:02:28.000 成功した第一歩でした 0:02:28.000,0:02:30.000 まだまだ完璧ではありませんので 0:02:30.000,0:02:33.000 やるべきことは たくさんあります 0:02:33.000,0:02:36.000 次のロボットはIMPASSです 0:02:36.000,0:02:40.000 「作動スポークシステムによる知的移動プラットフォーム」の略です 0:02:40.000,0:02:43.000 車輪と脚のハイブリッドになっています 0:02:43.000,0:02:45.000 リムのない車輪 あるいは 0:02:45.000,0:02:47.000 スポークでできた車輪だと考えてください 0:02:47.000,0:02:50.000 スポークが個々に動いて ハブを出入りします 0:02:50.000,0:02:52.000 車輪と脚の組み合わせです 0:02:52.000,0:02:54.000 文字通り「車輪を再発明」したわけです 0:02:54.000,0:02:57.000 動いているところをお見せしましょう 0:02:57.000,0:02:59.000 この映像では反応的アプローチを 0:02:59.000,0:03:01.000 取っています 0:03:01.000,0:03:04.000 足の触覚センサーを使って 0:03:04.000,0:03:06.000 押すとへこむ柔らかい 0:03:06.000,0:03:09.000 変化する地形の上を歩いています 0:03:09.000,0:03:11.000 触覚センサーの情報をたよりに 0:03:11.000,0:03:14.000 うまく柔らかい地形を移動しています 0:03:14.000,0:03:18.000 大きな地形の変化に出会ったときはどうするのか? 0:03:18.000,0:03:21.000 ここではロボットの高さの3倍以上ある 0:03:21.000,0:03:23.000 障害物にぶつかっています 0:03:23.000,0:03:25.000 すると計画的動作モードに切り替えます 0:03:25.000,0:03:27.000 レーザー式の距離計や 0:03:27.000,0:03:29.000 カメラを使って障害物の大きさを識別し 0:03:29.000,0:03:32.000 スポークをどう動かすか注意深く計画し 0:03:32.000,0:03:34.000 調整することによって このように 0:03:34.000,0:03:36.000 とても優れた機動性を発揮します 0:03:36.000,0:03:38.000 こんなものをご覧になったのはきっと初めてでしょう 0:03:38.000,0:03:41.000 私たちが開発した 0:03:41.000,0:03:44.000 超高機動性ロボットIMPASSです 0:03:44.000,0:03:46.000 ほら! すごいでしょう? 0:03:46.000,0:03:49.000 自動車の運転では 0:03:49.000,0:03:51.000 アッカーマン ステアリングと 0:03:51.000,0:03:53.000 呼ばれる方法が使われます 0:03:53.000,0:03:55.000 前輪がこの様に曲がります 0:03:55.000,0:03:58.000 小さな車輪を持つロボットでは 多くの場合 0:03:58.000,0:04:00.000 差動ステアリングを使います 0:04:00.000,0:04:03.000 左の車輪と右の車輪を逆向きに回転させるのです 0:04:03.000,0:04:06.000 IMPASSの場合 様々な異なるタイプの動きをさせることができます 0:04:06.000,0:04:09.000 例えば 左右の車輪が1つの車軸でつながり 角速度が同じであっても 0:04:09.000,0:04:11.000 曲がらせることができます 0:04:11.000,0:04:14.000 スポークの長さを変えてやれば良いのです 0:04:14.000,0:04:16.000 すると直径が変わって 左右に曲がります 0:04:16.000,0:04:18.000 これはIMPASSにできる面白いことの 0:04:18.000,0:04:21.000 ほんの一例です 0:04:21.000,0:04:23.000 次のロボットはCLIMBeR 0:04:23.000,0:04:26.000 「ケーブル支持式有足知的適合動作ロボット」です 0:04:26.000,0:04:29.000 私はNASAのJPLの科学者たちとよく話をします 0:04:29.000,0:04:31.000 マーズローバーが有名ですね 0:04:31.000,0:04:33.000 地質学者がいつも言っているのは 0:04:33.000,0:04:36.000 科学的に本当に興味深い場所というのは 0:04:36.000,0:04:39.000 いつも崖のようなところにあるということです 0:04:39.000,0:04:41.000 現在のローバーでは行くことができません 0:04:41.000,0:04:43.000 それで私たちは ごつごつした崖を 0:04:43.000,0:04:46.000 よじ登れるロボットを作りたいと思いました 0:04:46.000,0:04:48.000 それがこのCLIMBeRです 0:04:48.000,0:04:50.000 3本脚で 見えにくいですが 0:04:50.000,0:04:53.000 上にウィンチとケーブルがついています 0:04:53.000,0:04:55.000 そして最適な足の置き場を見つけ 0:04:55.000,0:04:57.000 力の分散のさせ方を 0:04:57.000,0:05:00.000 リアルタイムで計算します 0:05:00.000,0:05:03.000 表面にどれだけの力をかければ 0:05:03.000,0:05:05.000 滑ったり転んだりしないか? 0:05:05.000,0:05:07.000 安定したら 足を持ち上げ 0:05:07.000,0:05:11.000 ウィンチを使って這い上がります 0:05:11.000,0:05:13.000 捜索や救助のような用途にも使えるでしょう 0:05:13.000,0:05:15.000 5年前に私はNASAのJPLで 0:05:15.000,0:05:17.000 ひと夏の間 研究スタッフとして働きました 0:05:17.000,0:05:21.000 その時すでにLEMURという6本脚ロボットが開発されていて 0:05:21.000,0:05:24.000 これはそれをベースにした MARSです 0:05:24.000,0:05:27.000 「多肢ロボットシステム」 六本脚を持つロボットです 0:05:27.000,0:05:29.000 適応型の歩行プランナーを開発しました 0:05:29.000,0:05:31.000 面白い荷物を積んでいますね 0:05:31.000,0:05:33.000 学生たちは楽しいことをやりたがります 0:05:33.000,0:05:36.000 凹凸のある地形を越えています 0:05:36.000,0:05:38.000 こちらは粗い砂地の上を 0:05:38.000,0:05:40.000 歩いているところです 0:05:40.000,0:05:45.000 湿り具合とか砂粒の大きさによって 0:05:45.000,0:05:47.000 脚の沈み加減のモデルを変更します 0:05:47.000,0:05:51.000 足運びを環境に適応させることで このような地形をうまく渡ることができます 0:05:51.000,0:05:53.000 すごく面白いものをご覧に入れましょう 0:05:53.000,0:05:56.000 ラボを見学しに来る人はたくさんいるのですが 0:05:56.000,0:05:58.000 お客様が来るとMARSはコンピュータの前に歩み寄り 0:05:58.000,0:06:00.000 タイプし始めるのです 0:06:00.000,0:06:02.000 「こんにちは 私はMARSです 0:06:02.000,0:06:06.000 バージニア工科大学ロボティクスラボRoMeLaへようこそ」 0:06:06.000,0:06:08.000 これはアメーバロボットです 0:06:08.000,0:06:11.000 技術的な詳細をご説明している時間はないのですが 0:06:11.000,0:06:13.000 いくつか実験の様子をお見せしましょう 0:06:13.000,0:06:15.000 実現可能性を検討している段階です 0:06:15.000,0:06:19.000 弾性のある表面に位置エネルギーを蓄えて移動したり 0:06:19.000,0:06:21.000 あるいは弾性コードを使って前後に動きます 0:06:21.000,0:06:24.000 こちらはChIMERAで 0:06:24.000,0:06:26.000 ペンシルバニア大の人たちと 0:06:26.000,0:06:28.000 協力して作っている 0:06:28.000,0:06:30.000 化学物質に反応する 0:06:30.000,0:06:32.000 アメーバロボットです 0:06:32.000,0:06:34.000 あるところにあることをすると 0:06:34.000,0:06:40.000 魔法のように動き出します 変な生き物みたいですね 0:06:40.000,0:06:42.000 お次は新しいロボットのRAPHaELです 0:06:42.000,0:06:45.000 「弾性靱帯を持つ空気式ロボットハンド」です 0:06:45.000,0:06:49.000 商用で非常に良いロボティクスハンドはたくさんありますが 0:06:49.000,0:06:53.000 それらの問題は値段が高すぎるということです 何万ドルもします 0:06:53.000,0:06:55.000 だから義肢という用途で使うのは 0:06:55.000,0:06:57.000 あまり現実的ではありません 0:06:57.000,0:07:01.000 私たちはこの問題に別な方向から取り組みたいと思いました 0:07:01.000,0:07:04.000 電気モーターや電気機械アクチュエーターを使うのではなく 0:07:04.000,0:07:06.000 圧搾空気を使っています 0:07:06.000,0:07:08.000 関節のための新しいアクチュエーターを開発しました 0:07:08.000,0:07:11.000 柔軟にできていて 空気圧を変えるだけで 0:07:11.000,0:07:13.000 力加減を簡単に変えられます 0:07:13.000,0:07:15.000 ジュースの空き缶を潰すことができますが 0:07:15.000,0:07:18.000 生卵や電球のような壊れやすいものを 0:07:18.000,0:07:21.000 掴むこともできます 0:07:21.000,0:07:25.000 一番いいのは 最初のプロトタイプ作成に200ドルしか かからなかったことです 0:07:25.000,0:07:28.000 次はヘビ型ロボットのシリーズで 0:07:28.000,0:07:30.000 HyDRASという名前です 0:07:30.000,0:07:32.000 「超高自由度ヘビ型連節ロボット」です 0:07:32.000,0:07:35.000 このような地形を よじ登ることができます 0:07:35.000,0:07:37.000 こちらはHyDRASの腕です 0:07:37.000,0:07:39.000 12の自由度のあるロボットアームです 0:07:39.000,0:07:41.000 いかしているのはユーザインタフェースの部分です 0:07:41.000,0:07:44.000 あのケーブルは光ファイバーです 0:07:44.000,0:07:46.000 この学生は たぶん初めて使うのですが 0:07:46.000,0:07:48.000 関節を様々に動かすことができます 0:07:48.000,0:07:51.000 たとえばイラクなんかの交戦地帯では 0:07:51.000,0:07:53.000 道端に爆弾があります 0:07:53.000,0:07:56.000 現在はリモコン式の武装車両を送り込んでいますが 0:07:56.000,0:07:58.000 すごく時間がかかり 0:07:58.000,0:08:02.000 複雑な腕を操作できるようオペレータを訓練するのも高く付きます 0:08:02.000,0:08:04.000 このロボットなら直感的に操作できます 0:08:04.000,0:08:08.000 この学生も恐らく初めて使っているのですが モノを拾い上げて操作する 0:08:08.000,0:08:10.000 とても複雑なタスクをうまくこなしています 0:08:10.000,0:08:13.000 このようにとても直感的なんです 0:08:15.000,0:08:17.000 次のロボットは 現在の我々のスターです 0:08:17.000,0:08:20.000 このDARwInには実際ファンクラブがあります 0:08:20.000,0:08:23.000 「ダイナミック人型知的ロボット」です 0:08:23.000,0:08:25.000 私たちはヒューマノイド つまり 0:08:25.000,0:08:27.000 人型の歩くロボットにとても関心があります 0:08:27.000,0:08:29.000 それで小型のものを作ってみることにしました 0:08:29.000,0:08:31.000 2004年当時には 0:08:31.000,0:08:33.000 とても革新的なことで 0:08:33.000,0:08:35.000 実現可能性を探る研究でした 0:08:35.000,0:08:37.000 どんな種類のモーターを使うべきか? 0:08:37.000,0:08:39.000 そもそも可能なのか? どのような制御が必要になるか? 0:08:39.000,0:08:41.000 これにはまだセンサーがついていません 0:08:41.000,0:08:43.000 開ループ制御です 0:08:43.000,0:08:45.000 皆さんはきっとご存じですね 0:08:45.000,0:08:47.000 センサーなしでバランスを崩したら… 0:08:50.000,0:08:51.000 (笑) 0:08:51.000,0:08:53.000 この成功をベースとして 次の年には 0:08:53.000,0:08:56.000 運動学に基づいてちゃんとした 0:08:56.000,0:08:58.000 機械設計を行い 0:08:58.000,0:09:00.000 2005年にDARwIn I が誕生しました 0:09:00.000,0:09:02.000 立ち上がり 歩きます 0:09:02.000,0:09:04.000 しかしまだコードが繋がっています 0:09:04.000,0:09:08.000 外部の電源と 外部での計算処理に 0:09:08.000,0:09:10.000 まだ頼っていました 0:09:10.000,0:09:14.000 2006年に本当に面白いものになりました 0:09:14.000,0:09:17.000 知性を持たせたのです 必要な計算能力を与えました 0:09:17.000,0:09:19.000 1.5GHzのPentium M 0:09:19.000,0:09:21.000 2つのFireWireカメラ 8つのジャイロ 加速度計 0:09:21.000,0:09:24.000 足には4つのトルクセンサー リチウム電池 0:09:24.000,0:09:28.000 DARwIn II は完全に自律的です 0:09:28.000,0:09:30.000 遠隔操作はしていません 0:09:30.000,0:09:33.000 ケーブルもついていません 周りを見回し ボールを探し 0:09:33.000,0:09:36.000 周りを見回し ボールを探し 自律的な人工知能によって 0:09:36.000,0:09:39.000 サッカーをプレーします 0:09:39.000,0:09:42.000 見てみましょう この時はまさに私たちの最初の試行でした 0:09:42.000,0:09:47.000 ゴーーール!! 0:09:48.000,0:09:51.000 RoboCupという大会があります 0:09:51.000,0:09:53.000 ご存じの方がどれくらいいるかわかりませんが 0:09:53.000,0:09:58.000 国際的な自律ロボットによるサッカー競技会です 0:09:58.000,0:10:01.000 RoboCupの目標は 2050年までに 0:10:01.000,0:10:03.000 等身大の 0:10:03.000,0:10:06.000 自律ヒューマノイド型ロボットで 0:10:06.000,0:10:10.000 人間のワールドカップ優勝チームと試合をして 0:10:10.000,0:10:12.000 勝つことです 0:10:12.000,0:10:14.000 それが真の目標です 野心的な目標ですが 0:10:14.000,0:10:16.000 私たちはやれると信じています 0:10:16.000,0:10:19.000 2008年は中国で行われました 0:10:19.000,0:10:21.000 この競技会にアメリカから参加したのは 0:10:21.000,0:10:23.000 私たちが最初でした 0:10:23.000,0:10:26.000 今年2009年はオーストラリアで行われました 0:10:26.000,0:10:28.000 3対3で全く自律的に 0:10:28.000,0:10:30.000 試合を行います 0:10:30.000,0:10:32.000 そら入った! 0:10:33.000,0:10:35.000 ロボット同士で 0:10:35.000,0:10:38.000 チームプレーを競うのです 0:10:38.000,0:10:40.000 とても見応えのある エキサイティングな 0:10:40.000,0:10:44.000 競技イベントの形を取った研究イベントです 0:10:44.000,0:10:46.000 これは美しいルイ ヴィトンカップの 0:10:46.000,0:10:48.000 トロフィーです 0:10:48.000,0:10:50.000 最高のヒューマノイドに与えられる賞です 0:10:50.000,0:10:52.000 来年には是非 このトロフィーを初めて 0:10:52.000,0:10:54.000 アメリカに持ち帰るチームに 0:10:54.000,0:10:56.000 なりたいと思っています 0:10:56.000,0:10:59.000 (拍手) 0:10:59.000,0:11:01.000 DARwInは他にもたくさんの才能があります 0:11:01.000,0:11:04.000 去年はホリデーコンサートで 0:11:04.000,0:11:07.000 ロアノーク交響楽団の指揮をしました 0:11:07.000,0:11:10.000 これは次世代のロボットDARwIn IV です 0:11:10.000,0:11:13.000 より賢く より速く より強くなっています 0:11:13.000,0:11:15.000 その能力を披露しようとしています 0:11:15.000,0:11:18.000 「俺はマッチョだ 俺は強いんだ」 0:11:18.000,0:11:21.000 ジャッキー チェンみたいな 0:11:21.000,0:11:24.000 カンフーアクションだってできます 0:11:24.000,0:11:26.000 (笑) 0:11:26.000,0:11:28.000 そして歩き去ります これがDARwIn IV です 0:11:28.000,0:11:30.000 ロビーでご覧いただけます 0:11:30.000,0:11:32.000 これをアメリカ初の 0:11:32.000,0:11:35.000 走れるロボットにしたいと思っていますので ご期待ください 0:11:35.000,0:11:38.000 私たちのエキサイティングなロボットの動作をご覧頂きました 0:11:38.000,0:11:41.000 では私たちの成功の秘密は何でしょう? 0:11:41.000,0:11:43.000 どうやって考え出しているのか? 0:11:43.000,0:11:45.000 どうやってアイデアを発展させているのか? 0:11:45.000,0:11:47.000 私たちは都市域を完全自動走行する 0:11:47.000,0:11:49.000 自動車を作り DARPAアーバンチャレンジで 0:11:49.000,0:11:51.000 50万ドルの賞金を獲得しました 0:11:51.000,0:11:53.000 私たちはまた 視覚障害者が運転できる 0:11:53.000,0:11:55.000 世界最初の車も作りました 0:11:55.000,0:11:57.000 これは視覚障害ドライバーチャレンジと呼んでいます 0:11:57.000,0:12:01.000 まだまだお話ししたいエキサイティングなロボティクスプロジェクトがたくさんあります 0:12:01.000,0:12:03.000 これは私たちが2007年秋に 0:12:03.000,0:12:06.000 ロボティクス関係のコンペで受賞したものです 0:12:06.000,0:12:08.000 秘密は5つあります 0:12:08.000,0:12:10.000 まずどこからインスピレーションを得るか 0:12:10.000,0:12:12.000 イマジネーションの閃きをどうやって得ているかです 0:12:12.000,0:12:15.000 これは本当のことで 私自身の話です 0:12:15.000,0:12:17.000 夜眠るとき 明け方の3時か4時頃ですが 0:12:17.000,0:12:20.000 横になって目を閉じると 線や円や 0:12:20.000,0:12:22.000 いろいろな形が浮遊して 0:12:22.000,0:12:25.000 組み合わさり ある種のメカを形作ります 0:12:25.000,0:12:27.000 そうすると私は 「ああ これはいいな」と思い 0:12:27.000,0:12:29.000 ベッドの脇に置いてあるノートと 0:12:29.000,0:12:32.000 特別なLEDライト付きペンを取り出します 0:12:32.000,0:12:34.000 明かりを点けて妻を起こしたくはないので 0:12:34.000,0:12:36.000 思いついたことをすべて書き 絵を描いて 0:12:36.000,0:12:38.000 それから眠りにつきます 0:12:38.000,0:12:40.000 毎朝一番にやるのは 0:12:40.000,0:12:42.000 一杯のコーヒーよりも 歯磨きよりも先にするのは 0:12:42.000,0:12:44.000 そのノートを開いて見ることです 0:12:44.000,0:12:46.000 多くの場合何も書かれていません 0:12:46.000,0:12:48.000 時々何か書かれていますが 0:12:48.000,0:12:51.000 大抵 自分でも何が書いてあるのかわかりません 0:12:51.000,0:12:54.000 朝の4時に寝ぼけて書いたのですから無理もありません 0:12:54.000,0:12:56.000 解読する必要があります 0:12:56.000,0:12:59.000 でも時々そこに すごいアイデアが書かれていることがあります 0:12:59.000,0:13:01.000 「見つけた!」という瞬間です 0:13:01.000,0:13:03.000 すぐに書斎に走り コンピュータの前に座って 0:13:03.000,0:13:05.000 アイデアを打ち込み スケッチを描き 0:13:05.000,0:13:08.000 そうやってアイデアのデータベースに保存します 0:13:08.000,0:13:10.000 そして公募があると 0:13:10.000,0:13:12.000 要件に合う可能性のあるアイデアを 0:13:12.000,0:13:14.000 その中から探します 0:13:14.000,0:13:16.000 ピッタリのものがあれば 研究企画書を書いて 0:13:16.000,0:13:20.000 研究資金を獲得します 私たちの研究プログラムはそうやって始まります 0:13:20.000,0:13:23.000 しかしイマジネーションの閃きだけでは十分ではありません 0:13:23.000,0:13:25.000 そのようなアイデアをどうやって発展させるのか? 0:13:25.000,0:13:28.000 私たちのラボRoMeLaでは 素晴らしい 0:13:28.000,0:13:31.000 ブレインストーミングセッションをやっています 0:13:31.000,0:13:33.000 みんな集まって 課題や 0:13:33.000,0:13:35.000 社会的問題について議論し 話し合います 0:13:35.000,0:13:38.000 始める前にルールを確認します 0:13:38.000,0:13:40.000 そのルールとは 0:13:40.000,0:13:43.000 「誰のアイデアも批判しない 0:13:43.000,0:13:45.000 どんな意見も批判しないこと」です 0:13:45.000,0:13:47.000 これはとても重要で 学生は 0:13:47.000,0:13:50.000 自分の意見や考えを他の人がどう思うか不安になったり 0:13:50.000,0:13:52.000 怖れたりするものだからです 0:13:52.000,0:13:54.000 このルールを徹底するだけで 学生たちは 0:13:54.000,0:13:56.000 驚くほど自由にアイデアを出せるようになります 0:13:56.000,0:13:59.000 彼らはすごいクールでクレージーな素晴らしいアイデアを持っています 0:13:59.000,0:14:02.000 部屋全体に創造的なエネルギーが充満しているかのようです 0:14:02.000,0:14:05.000 そうやってアイデアを発展させるのです 0:14:05.000,0:14:08.000 もう時間がありませんが もう1つお話ししておきたいのは 0:14:08.000,0:14:12.000 アイデアを閃めかせ 展開させるだけでは十分でないということです 0:14:12.000,0:14:14.000 TEDで素晴らしい講演がありました 0:14:14.000,0:14:17.000 ケン ロビンソン卿です 0:14:17.000,0:14:19.000 彼は教育や学校がいかに 0:14:19.000,0:14:21.000 創造力を殺しているかという話をしました 0:14:21.000,0:14:24.000 これには実際2つの面があります 0:14:24.000,0:14:27.000 独創的なアイデアと 創造力と 0:14:27.000,0:14:29.000 工学的直感だけでは 0:14:29.000,0:14:32.000 できることが限られています 0:14:32.000,0:14:34.000 ただの工作以上のことをやり 0:14:34.000,0:14:36.000 趣味のロボットを越え 0:14:36.000,0:14:39.000 しっかりした研究に基づいて本当に大きなロボティクスの 0:14:39.000,0:14:41.000 課題に取り組もうと思ったら 0:14:41.000,0:14:44.000 他にも必要になるものがあります そこが学校の生きてくる部分です 0:14:44.000,0:14:47.000 悪者たちと戦うバットマンは 0:14:47.000,0:14:49.000 ユーティリティーベルトや 引っ掛けフックや 0:14:49.000,0:14:51.000 さまざまな小道具を持っています 0:14:51.000,0:14:53.000 私たちロボティクス研究者 エンジニア 0:14:53.000,0:14:58.000 サイエンティストにとって そのツールに当たるのが大学の授業や教程なのです 0:14:58.000,0:15:00.000 数学 微分方程式 0:15:00.000,0:15:02.000 線形代数 科学 物理 0:15:02.000,0:15:05.000 最近では化学や生物学まで活用しています 0:15:05.000,0:15:07.000 これらは私たちが必要とするツールなのです 0:15:07.000,0:15:09.000 ツールがたくさんあるほど バットマンは 0:15:09.000,0:15:11.000 悪者相手に効果的に戦うことができます 0:15:11.000,0:15:15.000 私たちには 大きな問題に取り組むための足がかりが増えます 0:15:15.000,0:15:18.000 教育というのはとても重要なのです 0:15:18.000,0:15:20.000 またそれだけでなく 0:15:20.000,0:15:22.000 本当に熱心に 働く必要があります 0:15:22.000,0:15:24.000 私は学生にいつも言っています 0:15:24.000,0:15:26.000 「賢く働き そして熱心に働くこと」 0:15:26.000,0:15:29.000 後ろに出ている写真は午前3時のラボの様子です 0:15:29.000,0:15:31.000 私たちのラボに午前3時とか4時に来ていただけば 0:15:31.000,0:15:33.000 きっと学生たちがまだ働いているでしょう 0:15:33.000,0:15:36.000 私がしろと言ったからではありません みんなすごく楽しいからやっているんです 0:15:36.000,0:15:38.000 これが最後の点に繋がります 0:15:38.000,0:15:40.000 「楽しみを忘れないこと」 0:15:40.000,0:15:43.000 これこそ私たちの成功の一番の秘密です みんな本当に楽しんでやっています 0:15:43.000,0:15:46.000 最高の生産性は楽しんでいるときにこそ得られるのです 0:15:46.000,0:15:48.000 それが私たちのしていることです 0:15:48.000,0:15:50.000 以上です どうもありがとうございました 0:15:50.000,0:15:55.000 (拍手)