「何を話しているんだろう」 そう思っていませんか? 手話を知ってる人なら 思ったでしょう そうあるべきだと 私は思います 全ての人が手話を学ぶべきだと思っています 赤ん坊の頃から手話を教えられ 小学校でも手話を学び あるいは第2言語として 手話を学ぶべきです 私はろう者の両親に育てられたので 生まれてからずっと 手話に触れてきました また手話を知っていることで 恩恵を授かりました 手話― 手話は様々な面で 私の人生を豊かにしました すべての人が手話を学ぶことで 手話を学ぶ素晴らしさと 手話が与えてくれるものを 楽しむことができると信じています 写真に写っているのは 私と耳の聞こえない母です このようにして 私は手話を学びました 生後8ヶ月のときに 手話をしていました そうです 生後8ヶ月です そのとき既に両親と コミュニケーションをしていました 乳児が言葉を発するまで 約1年半かかります 発声器官が 十分に発達していないからです ろう者はこの事実を 何世紀も前から知っていました 彼らは赤ん坊に 手話で語りかけました すると6ヶ月 8ヶ月 10ヶ月経つと 赤ん坊は手話を返してくるのです 近頃 健聴者の人々は こんなことを言います 「なんだって なぜ私たちは 赤ん坊が1歳半から2歳になるまで 会話するのを待たねばならないんだ」 ですから 最近では 健聴者の両親や教師が 乳児とのコミュニケーションに 手話を用いています 言葉を発するまで 待たなくてよいからです 皆さんはこう考えるでしょう 「生後6ヶ月とはずいぶん早い」 こんな仕草をした乳児を 見たことありませんか? あなたの所へ行きたい ということを表現しています これは乳児が学習したことです 「おいで 抱っこしようか」と あなたが言うとき こんな仕草を繰り返します 子どもと手話をするとは このようなものです 親がもう一歩進んで いくらか手話を学び 日常的に使えば 手を振ることを学習するように 乳児はそれを学びます 両親がそうしているからです 生後10ヶ月の乳児が手を振るのは それを学習したからです 私がこの場でしたいのは 1人の人間の生涯を通して たくさんの異なる形で いかに手話が あなたの人生を豊かにし コミュニティ全体を 活性化できるかを伝えることです 私の息子のマイカです ボートを意味する手話をしています あなたが赤ん坊の頃から 手話を知っていれば どんな人生になっていたでしょうか あなたは生後10ヶ月として 果物のかごを指差しています そして手話でリンゴを表現します 両親はリンゴを取ってきて あなたに渡すことができます 普通はそうは行きません 赤ん坊はかごを指差し お母さんはこんな風に 「バナナが欲しいの?」(キーッ) 「それともキュウリが欲しいの?」(キーッ) 赤ん坊が欲しいものが分かるまで これを繰り返します 手話があれば 乳児はそれで表現し 求めているものを 与えることができます 両親は赤ん坊が何を欲して 何を考えているのか知ることができます これが乳児のうちに 手話を使うことの利点です (ビデオ)母親:これは何? (子供は手話とオランダ語で答える) 男児:ヤギ! 母親:そうよ すごいわね!ヤギは何をする? (女性がオランダ語で歌う) 遊ぶのはこんなに楽しい 一緒に遊ぶ? 2人いるなら遊ぶのが1番 テディベアと遊んで 本を読もう 可愛い人形と遊ぼうよ 遊ぶことは最高! 楽しみながら 手話を使えるという実例です 幼児のなかに混ざって 小学生くらいの子もいましたね 彼らも手話が大好きです 先日 ある小学校を訪ねました 担当したのは5歳児から7歳児でしたが 質問攻めにあいました 「りんごはどう表すの?」 「『もっと』はどう表現するの?」 「ケーキはどうやって?」 あっという間にケーキを平らげていました 彼らは話すことはできるのですが 教師から聞いたところによると 今でも毎週 手話を使っているそうです 話し言葉と手話 どちらも知っていることで 便利な場面もあります 状況に応じて どちらを使うか選べるからです 時には話し言葉と手話を 同時に使うことが望ましいこともあります これも私が提唱したいことです ご存知のように コミュニケーションの 92%は非言語的なものです ですから手話を使わない理由はありません 想像してみたください あなたは小学生です 雨が降って水が循環する 仕組みを学びます これを言葉をつかって 学ぶこともできます 先生はこんな感じで 「水循環というものがあります― 今日はその仕組みを学びましょう 地球には海という水の塊があります 水は蒸発し 次に凝縮し そして― 地上へ落下し 水の塊へと戻ります」 手話を使ってやれば 「地球には水の塊があります そして水が蒸発し それが凝縮し 雨となって降ってきて 水の塊に戻ります」 話し言葉に手話を取り入れることで 日常的なジェスチャーが より洗練されたものになります そしてあなたの表現したいことが より明白になるのです 私にとって手話の魅力のひとつは 手話には優雅な身ぶりが あることです 手話にはユニークな特徴があります たとえばクローズアップしたり 俯瞰することもできます 様々な役柄を演じることもできますし スローモーションをすることもできます あなたが車に乗っている時 風景はゆっくりと流れます それが電車なら 風景はとても速く流れます 物語を語るとき 言葉で語ることもできますが 少しジェスチャーを加えるだけで より魅力的なものになります 実例を見ていただきましょう (ビデオ) (笑) (笑) フランス語は 愛の言葉だと称されますが 手話は物語を語る言葉なのです 「手話は便利で良いものかもしれない― 機会があれば使ってみよう」 と言われるかもしれません しかし 私は日常生活でも 手話は実用的だと考えています あらゆる産業のなかで 手話が役に立たない産業を思いつきません 例えば音楽産業では 舞台では音を立てられませんし 耳栓が必要な状況もあります 建設現場は大変な騒音に 包まれています そしてあなたは毎日 会議を抱えています 会議中 些細な質問を したくなったとしても そうすることで 会議を邪魔しかねません このようなことは頻繁にあります なにか発言や質問をしたくても それができないという状況です もし病院で働いてるなら 手話は患者にとって大変快適なものです 同僚と会話をするときに 患者に不快感を与えずに済みます 手話には遠くの人と 会話ができるという利点もあります 手話では遠くにいる人たちと会話できます 彼らは私の姿が見えるでしょう もし皆さんがここで 会話をしていたり 自分の仕事をしているなら 私があそこまで叫ぶのは 非常に耳障りですよね このような状況は  皆さんが思ってる以上にあるのです あなたがクラブできれいな女の子を 見つけたとしましょう あなたは彼女と話をしたいと思います そして彼女に近づきますが クラブのなかは大音量です 結局あなたがするのは 「ハーイ! 私の名前は・・・」 これでは楽しい会話はできないでしょう しかし いくらか手話ができるのなら 騒音なんて関係ありません ただ手話をすればいいのです 会話もできますし デートの約束もできるかもしれません そして彼女は帰宅時間になり あなたは駅まで送り届けます 彼女は電車のなか あなたはプラットフォームに立っています 手話を知らなければ こんなふうに手を振ることしかできません そしてあなたはただ待つだけです 私の場合はその人が ろう者であるか 手話を知っている人であれば その後も会話を続けることができます 電車が文字通り見えなくなるまで 会話は続きます 人生の様々な局面で このような場面は訪れます 残り時間が少ないので 少し早めに進めます 私が皆さんと心から 共有したかったことは 私たちには ろう者のコミュニティがありますが どの国に行っても ろう者のコミュニティはあります 私たちにできることは 手話を教えることです 手話を小学校や高校で教えることで 幼いうちから手話を学ぶことができ それを日常生活のなかで 実際に使うことができます 最後に私が言いたいことは 孤独な高齢者がたくさんいますが 生涯にわたって 手話を知っていれば 手話で会話することができます これは世代を超えて繰り返されます おじいちゃんが孫と  手話で会話し すべての人が 一日中手話をつかう社会です もう私の時間は終わりですか (笑) ママは働いているのよ (笑) ママはうまくやったと思う? ご覧のように もう行かねばなりません どうもありがとうございます (拍手)