1 00:00:04,610 --> 00:00:07,384 何故 - なぜ自分の人生はこうなのだろうか? 2 00:00:07,384 --> 00:00:10,157 鳥のさえずりが聞こえ、そして、 カン という乾いた鐘が聞こえる 3 00:00:11,269 --> 00:00:17,366 この世は、私たちが生きる様に合うように、存在している 4 00:00:18,766 --> 00:00:21,065 カン...カン... (乾いた鐘の音) 5 00:00:22,834 --> 00:00:26,380 そして、私たちが存在しているのは、カルマがあるから。 6 00:00:30,530 --> 00:00:34,742 カルマ。 - 過去と未来を結ぶもの。 7 00:00:36,065 --> 00:00:37,445 (鳥のさえずり。カン...カン。遠くに犬の吠える声) 8 00:00:42,019 --> 00:00:47,335 毎朝、私たちは起き、新たな日を迎える。 9 00:00:55,181 --> 00:01:01,596 しかし、私たちはまた、毎朝目を覚まし、過去にも向き合う。 10 00:01:02,996 --> 00:01:05,963 私たちがずっと生きてきた過去に。 11 00:01:08,206 --> 00:01:10,325 (森がさざめく) 12 00:01:11,340 --> 00:01:12,379 先週に向き合い、 13 00:01:12,379 --> 00:01:14,965 去年に向き合い、 14 00:01:14,965 --> 00:01:17,898 そして、前世と向き合う。 15 00:01:17,898 --> 00:01:21,349 これが、カルマ。 16 00:01:21,349 --> 00:01:23,664 避けることはできない。 17 00:01:28,338 --> 00:01:31,823 カルマ - 私たちの人生 18 00:01:39,884 --> 00:01:41,153 (読経) 19 00:01:41,415 --> 00:01:46,425 「カルマ」はサンスクリット語で「行動」を意味する。 20 00:01:47,656 --> 00:01:51,941 カルマをどこにでも見ることができる。 21 00:01:52,894 --> 00:01:55,533 まず、自分たちが何をしたか見てみよう。 22 00:01:55,871 --> 00:01:57,233 昨日は? 23 00:01:57,448 --> 00:01:59,087 去年は? 24 00:02:00,118 --> 00:02:02,699 子どもの頃は? 25 00:02:05,345 --> 00:02:07,367 または、前世で行ったことは? 26 00:02:07,552 --> 00:02:11,339 もし何をしたか覚えていれば、 27 00:02:12,278 --> 00:02:16,743 自分で行ったこと、何であれ、それがカルマなのだ。 28 00:02:17,281 --> 00:02:19,839 それが自分の生き方につながっている。 29 00:02:20,454 --> 00:02:22,474 そして今に至る。 30 00:02:26,679 --> 00:02:30,052 カルマ - 自分たちが行ってきた全てのこと 31 00:02:33,759 --> 00:02:37,485 仏教徒は「人生は苦難である」と言う。 32 00:02:45,777 --> 00:02:49,995 私たちは自ら苦難を作ってしまうことが、ままある。 33 00:02:49,995 --> 00:02:51,298 自らを苦しめ、また、 34 00:02:51,298 --> 00:02:55,817 他人を苦しめる。実際そうなのだ。 35 00:02:56,401 --> 00:02:59,001 悪いことを言ったり、 36 00:02:59,016 --> 00:03:00,763 私たちは我慢できず、 37 00:03:00,855 --> 00:03:02,724 傷つく。 38 00:03:07,228 --> 00:03:11,188 カルマ- 自ら苦しみを作り出すこと 39 00:03:11,742 --> 00:03:14,825 自らの周りに苦しみを作り出し、 40 00:03:15,532 --> 00:03:21,387 いつかこの世界が、自ら作った苦しみで覆いつくされる。 41 00:03:24,987 --> 00:03:28,702 この世界に、苦しみ以外の何が見出せるだろうか。 42 00:03:28,748 --> 00:03:32,086 苦しみ以外の何を。 43 00:03:35,394 --> 00:03:39,680 自分が以前与えたことをまさに見出すだろう。 44 00:03:39,680 --> 00:03:43,202 私たちは、自らの地獄を作り出すが、 45 00:03:43,341 --> 00:03:47,440 同時に、極楽を作り出すこともできるのである。 46 00:03:51,791 --> 00:03:55,367 カルマ - 極楽か地獄か 47 00:03:57,751 --> 00:04:00,204 (話し声、市場を行き交う音) 48 00:04:12,912 --> 00:04:14,906 この世界には必ず、 49 00:04:14,906 --> 00:04:18,702 因果関係があり、 50 00:04:18,702 --> 00:04:22,279 何もないところには何も起こらない。 51 00:04:26,648 --> 00:04:30,272 この因果関係はまた、 52 00:04:30,318 --> 00:04:32,217 私たちの運命に、 53 00:04:32,217 --> 00:04:36,038 私たちのこれからの生き方にも関係する。 54 00:04:36,069 --> 00:04:40,046 私たちの行い、私たちの考えが、 55 00:04:40,046 --> 00:04:43,036 自らの生き方に何らかの影響を及ぼす。 56 00:04:43,036 --> 00:04:47,038 それらはほんの小さなことかもしれない。 57 00:04:49,407 --> 00:04:51,741 私たちの考え、感情は 58 00:04:51,895 --> 00:04:56,363 私たちの内なる世界を形作っていく。 59 00:04:57,717 --> 00:04:59,393 私たちの言葉や行動が 60 00:04:59,393 --> 00:05:04,057 私たちの周りの世界を形作る。 61 00:05:17,918 --> 00:05:22,325 自らの世界を絶えず作り続け、 62 00:05:23,633 --> 00:05:28,600 自らの生き方を作り上げている。少しずつ、少しずつ。 63 00:05:29,923 --> 00:05:33,826 人や、モノ、行動、それら1つ1つが、 64 00:05:33,964 --> 00:05:37,707 何らかの結果を引き起こすからである。 65 00:05:45,042 --> 00:05:47,647 カルマ - 原因と結果 66 00:05:51,847 --> 00:05:53,884 (鳥のさえずり) 67 00:05:54,807 --> 00:05:56,383 私たちの行動、考えが、 68 00:05:56,383 --> 00:06:02,627 私たちの世界を、ほんの少し形作る。 69 00:06:04,057 --> 00:06:07,269 強欲で怒りに満ちた方に向かって。 70 00:06:07,730 --> 00:06:12,452 いや、慈愛と親しみに満ちた方向へ、か。 71 00:06:14,529 --> 00:06:18,005 この世界に、苦しみを生むこともできるし、 72 00:06:18,005 --> 00:06:20,797 苦しみを避けることもできる。 73 00:06:21,289 --> 00:06:26,675 どちらにするか、私たち自身に委ねられている。 74 00:06:32,228 --> 00:06:35,558 カルマ - 私たちが形作る世界 75 00:06:36,173 --> 00:06:40,165 だからこそ、私たちの行動がこの世界にダイレクトに影響する。 76 00:06:40,180 --> 00:06:44,153 自身の世界は、同様に、他の人の世界でもある。 77 00:06:44,707 --> 00:06:49,252 仏教では、全てが1つなのである。 78 00:06:49,252 --> 00:06:52,618 無関係なものは無い。全てがつながっている。 79 00:06:52,618 --> 00:06:55,703 私たちは皆、つながっている。 80 00:06:56,073 --> 00:06:59,922 自らの未来は、他の人の未来なのである。 81 00:06:59,922 --> 00:07:04,934 時計の歯車のように相互に作用する。 82 00:07:04,934 --> 00:07:11,894 それらは1つなのである。 83 00:07:16,913 --> 00:07:19,869 カルマ - 全ては1つ 84 00:07:20,685 --> 00:07:22,148 (鳥のさえずりとピアノの音) 85 00:07:22,856 --> 00:07:27,279 私たちの命を庭にたとえてみよう。 86 00:07:28,033 --> 00:07:30,235 良く手入れすれば 87 00:07:30,235 --> 00:07:32,570 美しい庭になるだろう。 88 00:07:33,370 --> 00:07:36,665 もちろん、時間も手間もかかる。 89 00:07:36,695 --> 00:07:37,979 (水やりの音) 90 00:07:39,564 --> 00:07:42,325 もちろん多くの 91 00:07:42,325 --> 00:07:44,994 私たちの手に負えないこともある。 92 00:07:45,409 --> 00:07:46,883 例えば、天気、 93 00:07:46,883 --> 00:07:49,972 季節、また、 94 00:07:49,972 --> 00:07:54,088 自分と違う考えの人も、管理できるようなものではない。 95 00:07:54,365 --> 00:07:58,056 しかし、結局のところ、私たちは庭師なのである。 96 00:07:58,641 --> 00:08:00,426 自分たちの庭をどう素敵に見せるかは、 97 00:08:00,426 --> 00:08:02,356 私たち自身で決めるのである。 98 00:08:04,798 --> 00:08:08,372 カルマ - 時間と努力 99 00:08:09,526 --> 00:08:13,670 (鳥のさえずり、読経) 100 00:08:15,916 --> 00:08:19,708 私たちが今の生き方は、カルマにより成っている。 101 00:08:19,708 --> 00:08:22,798 カルマから逃れることはできない。 102 00:08:27,506 --> 00:08:30,889 過去に苦しみを作ってしまったら、 103 00:08:30,889 --> 00:08:35,254 未来にも苦しみが現れるだろう。 104 00:08:35,254 --> 00:08:40,830 未来は、過去の自らの行動の繰り返しにすぎない。 105 00:08:41,091 --> 00:08:43,596 長い間、私たちは 106 00:08:43,596 --> 00:08:45,086 この世界を、怒りと強欲で 107 00:08:45,086 --> 00:08:48,453 満たしてきた。 108 00:08:49,669 --> 00:08:52,891 そして、今も同様である。 109 00:08:53,014 --> 00:08:55,757 例えば、自分の周りの人々の反応、感情の中に、また、 110 00:08:55,757 --> 00:09:00,766 さまざまな状況の中に、怒りと強欲を見ることができる。 111 00:09:00,996 --> 00:09:04,101 以前生み出した苦しみは、 112 00:09:04,101 --> 00:09:07,167 今、新たな苦しみを生み出している。 113 00:09:12,420 --> 00:09:14,957 カルマ - 苦しみが苦しみを生む 114 00:09:16,711 --> 00:09:18,892 では、将来の苦痛を避ける方法は 115 00:09:18,892 --> 00:09:21,433 実際にあるのだろうか。 116 00:09:25,479 --> 00:09:30,119 そう、方法はある。 117 00:09:31,135 --> 00:09:32,898 過去になした好ましくないカルマは、 118 00:09:32,898 --> 00:09:36,018 大きな甕(かめ)の中に落ちた 119 00:09:36,018 --> 00:09:37,580 1滴の汚水のようなものである。 120 00:09:38,334 --> 00:09:40,616 甕の中に落ちてしまい、 121 00:09:41,170 --> 00:09:43,669 それを変えることはできない。 122 00:09:43,669 --> 00:09:46,860 取り出すこともできない。 123 00:09:47,198 --> 00:09:50,089 しかし、きれいな水を継ぎ足すことはできる。 124 00:09:50,920 --> 00:09:55,548 1滴1滴。少しずつ。 125 00:09:55,886 --> 00:09:59,511 暫くすると、甕の中は、 126 00:09:59,511 --> 00:10:06,261 再び、ほぼ100%きれいな水になるだろう。 127 00:10:10,076 --> 00:10:12,942 カルマ - 1滴ずつ 128 00:10:14,434 --> 00:10:16,331 過去の好ましくないカルマを 129 00:10:16,331 --> 00:10:21,322 取り除くことはできないため、 130 00:10:21,322 --> 00:10:23,070 それを希釈し、 131 00:10:23,070 --> 00:10:27,988 分からなくなるまで薄める必要がある。 132 00:10:29,741 --> 00:10:35,129 苦しみを新たに繰り返し作り出すのではなく、 133 00:10:35,129 --> 00:10:38,608 苦しみを避けていく必要がある。 134 00:10:39,347 --> 00:10:42,825 従って、私たちも怒りや強欲を 135 00:10:42,825 --> 00:10:48,191 慈愛と親しみに置き換える必要がある。 136 00:10:48,191 --> 00:10:54,230 自制が必要なのである。 137 00:10:54,230 --> 00:10:59,793 瞑想することで、自分を制していくことを学ぶ。 138 00:11:00,116 --> 00:11:03,390 自分の行動、考え、感情を 139 00:11:03,390 --> 00:11:05,978 自ら制することを学ぶ。 140 00:11:08,332 --> 00:11:10,403 よって、最終的に、 141 00:11:10,603 --> 00:11:12,133 自分の苦しみ、 142 00:11:12,133 --> 00:11:14,218 他人の苦しみを 143 00:11:14,557 --> 00:11:17,779 少なくすることができる。 144 00:11:22,675 --> 00:11:26,392 カルマ - 苦しみでなく自制 145 00:11:29,900 --> 00:11:32,694 カルマは、 146 00:11:32,878 --> 00:11:36,532 私たちと過去の苦しみを繋(つな)げ、 147 00:11:36,532 --> 00:11:38,342 また、未来に苦しみを生むように、 148 00:11:38,342 --> 00:11:41,059 結び付けているものである。 149 00:11:47,136 --> 00:11:50,527 もしここから逃れたければ、 150 00:11:50,527 --> 00:11:51,873 この結びつきを断つ必要がある。 151 00:11:52,596 --> 00:11:55,127 新たな苦しみを生み出すことを 152 00:11:55,127 --> 00:11:58,891 避けなければならない。 153 00:11:58,891 --> 00:12:02,763 そのようにして、私たちは、より良く生きていけるようになる。 154 00:12:02,763 --> 00:12:05,115 来週、 155 00:12:05,115 --> 00:12:07,367 来年、 156 00:12:07,367 --> 00:12:10,548 そして来世も。 157 00:12:15,651 --> 00:12:19,732 カルマ - それは私たちに委ねられている 158 00:12:31,239 --> 00:12:33,589 すべてが好ましく、悪いことは1つもない。 純粋な精神。 159 00:12:33,789 --> 00:12:37,772 これは、過去・現在・未来の三世における、仏陀の教えである。 160 00:12:42,564 --> 00:12:45,764 製作:Jorg Dittmar 161 00:12:47,371 --> 00:12:50,329 スピリチュアル導師:Pra Acham Tippakorn Sukhito 162 00:12:52,914 --> 00:12:55,883 製作部長:Mae Chee Brigitte Schrottenbacher 163 00:12:57,672 --> 00:13:02,949 ナレーション:Morgan Deare 164 00:13:03,456 --> 00:13:05,156 謝意 165 00:13:05,156 --> 00:13:09,923 謝意 Ban Sawang Jai寺院の全ての僧侶へ。 Kate Kamolma Sringamへ。Jeffery Wahlへ。 166 00:13:11,978 --> 00:13:15,062 音楽:Kosinus 167 00:13:16,418 --> 00:13:23,772 Ban Sawang Jai寺院(Pak Chong, タイ)にて、 2012年2月撮影開始。