ヨルダン川西岸地区におけるイスラエルの法的権利について説明しましたので、 それでは和平プロセスについて注目してみましょう。
多くの人が、イスラエルの西岸での駐留が―それを「占領」と呼ぶ人もいますが―パレスチナ人のイスラエルに対する敵意の原因であり、平和が実現できない理由であると言います。
でもそれは本当でしょうか?
イスラエルの駐留が紛争の原因だとすると、 イスラエルがヨルダン川西岸にいなかった1967年以前には、紛争が無かったことになりますね?
事実を見てみましょう…
PLO、パレスチナ「解放」機構は、1964年に設立しました、
当時、西岸とガザの全てはアラブ人の手中にありました。
なぜ、イスラエルが西岸とガザに駐留していない1964年にPLOを作るのでしょうか?
どの「パレスチナ」を彼らは解放しようとしたのでしょうか?
PLOの紋章がその答えをくれます。
PLOは、中東の地図から全イスラエルを力ずくで取り除くために創られたのです。
そのゴールは彼らの憲章に明記されています。
そのゴールは目新しいものではありませんでした。
PLOは「NO」を言う長いアラブの歴史を継承しました。
ユダヤ人の民族自決権への「NO」
ユダヤの父祖の地を承認することへの「NO」
歴史を振り返ってみましょう。
1937年に、ピール委員会は土地の分割、ユダヤ国家とアラブ国家への分割案を提示しました。
アラブの割り当てには、国際連盟が当初ユダヤ人の祖国として認めた領土の96%が含まれていました。
ここには西岸よりずっと多くの領土が含まれていました。
けれど…ユダヤ人を和平のパートナーとして受け入れる代わりに、パレスチナの指導者ハジ・アミン・アルフセイニは言ったのです…「NO」 そして自分に近いビジョンを持ったパートナーを見つけました。
1947年に、国連は分割案を推奨します、それは再び、 アラブ側に西岸地区よりずっと多くを提示していました。
ユダヤ人は「YES」と言いました。
アラブの指導者達は再び「NO」と言い、「絶滅戦争」を始めたのです。
イスラエルは戦争に勝利し、建国しましたが、一日たりとも平和はありませんでした…アラブの隣人が西岸地区全体を手にしているにもかかわらず。
アラブ人たちは「NO!」と言い続けました。
彼らはイスラエルを容赦なく攻撃しました…西岸を発射台に使い…イスラエルが1967年に自衛の戦争でそこを掌握するまで。
戦後、アラブ連盟はあらゆる和平への試みを拒否しました。
彼らは交渉でなく武力を選び続けました。
そして…ハルツームのアラブサミットでも、また「NO、NO、NO」を聞くことになったのです。
1993年まで早送りしてみましょう…イスラエルとパレスチナはオスロ合意に調印します。
パレスチナ人はとうとう「YES」と言ったのでしょうか?
そのように見えました。 イスラエルは「YES」と言い、その設立を助けたパレスチナ政府に自治を託しました。
けれど合意に署名したにも関わらず、パレスチナの行動は「NO」を示したのです。
続く5年間… イスラエルはテロ攻撃の著しい増加に遭い、 何百人ものイスラエル人が殺されました。
1996年にパレスチナの指導者ヤセル・アラファトは宣言します 「…我々はイスラエル国家を排除し、純粋なパレスチナ国家を建設する計画である」と。
けれどイスラエルは「YES」と言うのをあきらめませんでした。
2000年に、イスラエルのバラク首相は西岸地区の93%をパレスチナ人に提示しました。
再び、返答は「NO!」、テロも増加しました。
2005年には、イスラエルはガザ地区から撤退、和平の推進を期待し、8500名のイスラエル国民を退去させました。
パレスチナ人は?? ふたたび「NO」と言ったのです。
今度はガザからイスラエル国民を狙ったロケット弾攻撃を、500%も増加させました。
2008年に、イスラエルは再度「YES」を試みました。
オルメルト首相が、ほぼ全てのパレスチナ側の要求を受け入れ、わずかな領土交換を伴う西岸地区の100%に近い部分を割譲するとしたのです。
パレスチナ人は?? ふたたび「NO」と言いました。
それでは、どんな結論ができるでしょうか?
1.紛争はイスラエルの西岸地区での駐留が原因ではありません。
紛争の本当の原因は、今日に至るまで、「NO」といい続けるアラブの長い歴史にあります。
「和平へのNO」「イスラエルの存在へのNO」
「NO」はパレスチナの政策、教育、そしてメディアに一貫しています。
政治的・宗教的指導者達は、絶え間なくイスラエルの破壊を奨励しています。
2.イスラエルは何十年にもわたり「YES」を言い続け、それをヨルダンとエジプトとの和平条約の締結によって証明しました。
ですから…ここから私たちはどう進めば良いのでしょうか?
どうやって和平を実現するのでしょうか?
いくらかの善意と… 互いの自決権を認め、そして… 両者の真の譲歩が必要です。
イスラエルは、真の永続的な和平への「YES」を言い続けます。
けれど、和平プロセスの成功には… パレスチナがその強硬な選択を断念せねばなりません。 もちろん交渉によって。
そして、「YES」でなく「NO」を選択することをも。
今がその時です。