1 00:00:00,000 --> 00:00:02,000 時がたつのは早いものです 2 00:00:02,000 --> 00:00:04,000 ちょうど20年程前に 3 00:00:04,000 --> 00:00:08,000 情報の利用方法や、協力して仕事する方法を再構築したいと考え、 4 00:00:08,000 --> 00:00:11,000 World Wide Webを発明しました 5 00:00:11,000 --> 00:00:14,000 そして今、20年後のTEDで、 6 00:00:14,000 --> 00:00:18,000 私は皆さんに新しい再構築に協力頂きたいと思います 7 00:00:19,000 --> 00:00:23,000 1989年の頃に遡ります 私はグローバル バイパーテキスト システムを 8 00:00:23,000 --> 00:00:26,000 提唱する提案書を書きました 9 00:00:26,000 --> 00:00:29,000 誰もそれに関してあまり関心を向けませんでした 10 00:00:29,000 --> 00:00:33,000 でも、18ヶ月後、このようにイノベーションは起こるのですが、 11 00:00:33,000 --> 00:00:37,000 18ヶ月後、私の上司が私にこのプロジェクトをサイドプロジェクトとして私たちが得た 12 00:00:37,000 --> 00:00:39,000 新しいコンピューターの点検がてら、 13 00:00:39,000 --> 00:00:41,000 取り組む事を許可してくれました 14 00:00:41,000 --> 00:00:44,000 そして彼は、私にコーディングを行う時間をくれたのです 15 00:00:44,000 --> 00:00:49,000 そこで私はHTMLの大まかな部分を作りました 16 00:00:49,000 --> 00:00:52,000 HTTPと呼ばれるハイバーテキスト プロトコルや、 17 00:00:52,000 --> 00:00:55,000 “http”で始まる物事を指す名前である 18 00:00:55,000 --> 00:00:57,000 URLの概念などです 19 00:00:57,000 --> 00:00:59,000 私はコードを書いて、外に公開しました 20 00:00:59,000 --> 00:01:01,000 なぜ、私はこのような事をしたのか 21 00:01:01,000 --> 00:01:03,000 それは、基本的にストレスがあった為です 22 00:01:03,000 --> 00:01:07,000 私は不満を持っていました 私はソフトウェアエンジニアとして巨大で、 23 00:01:07,000 --> 00:01:09,000 エキサイティングな研究所に、世界中から 24 00:01:09,000 --> 00:01:11,000 集まった多くの人達と共に働いていました 25 00:01:11,000 --> 00:01:14,000 彼らは、多様なコンピューターを研究所に持ち寄ってきました 26 00:01:14,000 --> 00:01:17,000 彼らは多様なデータフォーマットや 27 00:01:17,000 --> 00:01:19,000 様々な文書システムを利用していました 28 00:01:19,000 --> 00:01:22,000 そこで、そのような多様性が存在する中で、 29 00:01:22,000 --> 00:01:24,000 もし私があれこれ使って、 30 00:01:24,000 --> 00:01:26,000 何かを作りたいと思い立った場合、 31 00:01:26,000 --> 00:01:30,000 見ればどれも、新しいマシンに繋げなければならなかったり、新しいプログラムの 32 00:01:30,000 --> 00:01:32,000 動かし方を学ばなければならなかったり、 33 00:01:32,000 --> 00:01:37,000 欲しかった情報が新しいデータ形式で見つかったりします 34 00:01:37,000 --> 00:01:39,000 そしてこれらは全て互換性がないものです 35 00:01:39,000 --> 00:01:41,000 それはとてももどかしいものでした 36 00:01:41,000 --> 00:01:43,000 開きうる可能性に対するもどかしさです 37 00:01:43,000 --> 00:01:46,000 実際それらのハードディスクの中にはドキュメントがあったのです 38 00:01:46,000 --> 00:01:49,000 例えばインターネットのように 39 00:01:49,000 --> 00:01:54,000 もしそれが、どこかの巨大な仮想文書システム上に 40 00:01:54,000 --> 00:01:56,000 あったとしたら、 41 00:01:56,000 --> 00:01:58,000 苦労をせずに済むでしょう 42 00:01:58,000 --> 00:02:02,000 一度そのようなアイディアを得ると、心を捉えられてしまうものです 43 00:02:02,000 --> 00:02:04,000 例え人々が見向いてくれなかったとしても 44 00:02:04,000 --> 00:02:07,000 上司は実際見てくれた訳ですが 彼の死後見つかった資料には 45 00:02:07,000 --> 00:02:10,000 欄外に鉛筆で「よくわからないが興味深い」と書かれていました 46 00:02:10,000 --> 00:02:12,000 (笑) 47 00:02:12,000 --> 00:02:16,000 しかし一般的には、ウェブというものを説明することは非常に難しいものでした 48 00:02:16,000 --> 00:02:18,000 今では当時難しかったことを 49 00:02:18,000 --> 00:02:20,000 説明する方が難しい訳ですが 50 00:02:20,000 --> 00:02:23,000 でも、TEDが始まった時のように、ウェブは存在せず、 51 00:02:23,000 --> 00:02:26,000 例えばクリックするという行為には今とは別の意味がありました 52 00:02:26,000 --> 00:02:28,000 誰かにハイパーテキストという、 53 00:02:28,000 --> 00:02:30,000 リンクが含まれるページを見せ, 54 00:02:30,000 --> 00:02:34,000 リンクをクリックすれば、「チーン」、別のハイパーテキストページが表示されます 55 00:02:34,000 --> 00:02:36,000 あまり見栄えはしません 56 00:02:36,000 --> 00:02:39,000 CD-ROMにもハイパーテキストが含まれていたりします 57 00:02:39,000 --> 00:02:42,000 難しかった事は、彼らに想像させることでした 58 00:02:42,000 --> 00:02:46,000 実質的に考え得るあらゆる文書にリンクで飛ぶことができるのだと 59 00:02:46,000 --> 00:02:48,000 想像させるということです 60 00:02:49,000 --> 00:02:53,000 これは難しい概念的な飛躍だったのです 61 00:02:53,000 --> 00:02:55,000 まあ、ある人々は受け入れてくれましたが 62 00:02:55,000 --> 00:02:58,000 説明するのは難しかったものの、草の根運動が起こったのです 63 00:02:59,000 --> 00:03:03,000 そしてそれこそがこの事を最も面白くさせたのです 64 00:03:03,000 --> 00:03:05,000 私が最も興奮したことは、技術自体でも、 65 00:03:05,000 --> 00:03:07,000 人々が技術を使ってやったことでもなく 66 00:03:07,000 --> 00:03:09,000 そこから生まれたコミュニティーであり、 67 00:03:09,000 --> 00:03:11,000 力を合わせる人々の精神に対してです 68 00:03:11,000 --> 00:03:13,000 あの頃はそんなふうでした 69 00:03:13,000 --> 00:03:16,000 面白い事に今も当時と同じ状況になりつつあります 70 00:03:16,000 --> 00:03:18,000 私はいわば皆さんにお願いしていたのでした 71 00:03:18,000 --> 00:03:21,000 「このウェブっていうのにみんなの文書を置いてください」 72 00:03:21,000 --> 00:03:24,000 そしてみんなそうしてくれました 73 00:03:24,000 --> 00:03:25,000 ありがとうございます 74 00:03:25,000 --> 00:03:27,000 すごい事になりましたよね 75 00:03:27,000 --> 00:03:29,000 かなり面白い事になっていたと思います 76 00:03:29,000 --> 00:03:31,000 なぜならウェブ上で起こったことは、 77 00:03:31,000 --> 00:03:33,000 私たちを本当に圧倒したからです 78 00:03:33,000 --> 00:03:35,000 それらは私たちが始めのウェブサイトを 79 00:03:35,000 --> 00:03:37,000 始めた時に想像していたことを 80 00:03:37,000 --> 00:03:39,000 遥かに超えていました 81 00:03:39,000 --> 00:03:42,000 次は、ウェブに皆さんのデータを置いて頂きたいのです 82 00:03:42,000 --> 00:03:46,000 ここにはまだ開かれずにいる大きな可能性があります 83 00:03:46,000 --> 00:03:48,000 未だ人々はデータがウェブ上に 84 00:03:48,000 --> 00:03:52,000 データとして存在していないことから、多くの不満を抱えています 85 00:03:52,000 --> 00:03:54,000 そもそもデータとは何でしょう 86 00:03:54,000 --> 00:03:57,000 文書とデータの違いは何でしょう 文書は読み物です 87 00:03:57,000 --> 00:04:00,000 内容を読めるし、リンクを辿ることもできますが、それだけです 88 00:04:00,000 --> 00:04:02,000 一方、データの場合、様々な事が出来ます 89 00:04:02,000 --> 00:04:08,000 ハンス ロスリングの講演を聴いた方はいらっしゃいますか 90 00:04:08,000 --> 00:04:12,000 もっとも素晴らしい、ええ、多くの方はご覧になったと思いますが、 91 00:04:12,000 --> 00:04:14,000 最も卓越したTED Talkの一つでした 92 00:04:14,000 --> 00:04:16,000 ハンスはこのプレゼンテーションより 93 00:04:16,000 --> 00:04:21,000 様々な国々に対して、異なる色で表現し、 94 00:04:21,000 --> 00:04:24,000 彼は、所得水準を一方の軸で表し、もう片方を幼児死亡率とし、 95 00:04:24,000 --> 00:04:27,000 時の経過をアニメーションで示しました 96 00:04:27,000 --> 00:04:31,000 彼はこれらのデータを元に 97 00:04:31,000 --> 00:04:34,000 人々が発展途上諸国の経済に対して持っていた 98 00:04:34,000 --> 00:04:38,000 思い込みをプレゼンテーションで吹き飛ばしたのです 99 00:04:38,000 --> 00:04:40,000 彼はこのようなスライドを紹介しました 100 00:04:40,000 --> 00:04:42,000 地下には全てのデータが存在し、 101 00:04:42,000 --> 00:04:45,000 データは面白みのない茶色の箱として描かれていますが 102 00:04:45,000 --> 00:04:47,000 そういうものだとみんな思っています 103 00:04:47,000 --> 00:04:50,000 なぜならデータはそのまま使う事は出来ないからです 104 00:04:50,000 --> 00:04:54,000 でも実は、誰かがそのデータを元に何かを生み出すことによって 105 00:04:54,000 --> 00:04:57,000 データは私たちの生活に大きな影響を与えるものなのです 106 00:04:57,000 --> 00:04:59,000 このケースでは、ハンスが 107 00:04:59,000 --> 00:05:04,000 国連の様々なウェブサイトなどを通じて発見したデータを組み合わせたのです 108 00:05:04,000 --> 00:05:06,000 彼はデータを一緒に組み合わせ、 109 00:05:06,000 --> 00:05:09,000 個別のデータより遥かに面白いものを生み出し、 110 00:05:09,000 --> 00:05:14,000 確か彼の息子さんが開発したという 111 00:05:14,000 --> 00:05:16,000 このソフトウェアに取り込ませることで、 112 00:05:16,000 --> 00:05:19,000 この素晴らしいプレゼンテーションを作成したのです 113 00:05:19,000 --> 00:05:21,000 そしてハンスは 114 00:05:21,000 --> 00:05:25,000 「沢山のデータを持つ事が重要なのです」と言っていました 115 00:05:25,000 --> 00:05:28,000 そして私は昨夜のパーティーで、彼はまだとても強く、 116 00:05:28,000 --> 00:05:32,000 沢山のデータを持つ事の重要性を語っていたのを見てとても嬉しかったです 117 00:05:32,000 --> 00:05:34,000 そこで私は皆さんに 118 00:05:34,000 --> 00:05:38,000 彼のようにただ二つや、六つのデータを繋げるというだけではなく、 119 00:05:38,000 --> 00:05:43,000 みんながデータをウェブに載せ、実質的に考えうるあらゆるものがウェブ上にあるという世界を 120 00:05:43,000 --> 00:05:45,000 考えていただきたいのです 121 00:05:45,000 --> 00:05:47,000 これをLinked Dataと呼びます 122 00:05:47,000 --> 00:05:49,000 この技術はごくシンプルなものです 123 00:05:49,000 --> 00:05:53,000 ウェブに何かを載せるには3つのルールがあります 124 00:05:53,000 --> 00:05:56,000 まず“http:”で始まる 125 00:05:56,000 --> 00:05:58,000 HTTP名が必用です 126 00:05:58,000 --> 00:06:02,000 これからは文書だけではなく 127 00:06:02,000 --> 00:06:04,000 文書に書かれているものにも使います 128 00:06:04,000 --> 00:06:06,000 人や、場所、 129 00:06:06,000 --> 00:06:10,000 製品やイベントに対しても利用するのです 130 00:06:10,000 --> 00:06:14,000 様々な概念に対して、それぞれHTTPで表されるようになるのです 131 00:06:14,000 --> 00:06:19,000 2つ目のルールは、もし私がこのHTTPの名称をもとに 132 00:06:19,000 --> 00:06:21,000 ウェブ上で検索し、データを 133 00:06:21,000 --> 00:06:23,000 HTTPプロトコルを使ってウェブから 134 00:06:23,000 --> 00:06:26,000 取得したら、人々が知りたがる物事やイベントを 135 00:06:26,000 --> 00:06:31,000 有益な情報としてデータを標準形式で 136 00:06:31,000 --> 00:06:33,000 取得出来ることです そのイベントには 137 00:06:33,000 --> 00:06:35,000 誰が出るのか?その人の事や、 138 00:06:35,000 --> 00:06:37,000 生まれた場所などと言った事についてです 139 00:06:37,000 --> 00:06:39,000 つまり重要な情報を取得できる点です 140 00:06:39,000 --> 00:06:43,000 3つ目のルールは、その情報を取得したら、 141 00:06:43,000 --> 00:06:46,000 身長、体重、生まれた場所などその人自身のことだけでなく 142 00:06:46,000 --> 00:06:48,000 関連をも取得できるということです 143 00:06:48,000 --> 00:06:50,000 データとは関連なのです 144 00:06:50,000 --> 00:06:52,000 面白い事に、データは関連を表すのです 145 00:06:52,000 --> 00:06:56,000 この人はベルリンで生まれました ベルリンはドイツにあります 146 00:06:56,000 --> 00:06:59,000 関連が表明されるとき 147 00:06:59,000 --> 00:07:02,000 関連しているものについて 148 00:07:02,000 --> 00:07:06,000 HTTPで始まる名前が取得でき 149 00:07:06,000 --> 00:07:08,000 私はその情報を調べることができます 150 00:07:08,000 --> 00:07:11,000 まずその人を調べ、そこから彼らが生まれた都市を探し、 151 00:07:11,000 --> 00:07:14,000 その都市の地域や、町、 152 00:07:14,000 --> 00:07:17,000 そして人口などを探し出せます つまり、私はこれらの情報に 153 00:07:17,000 --> 00:07:19,000 目を通すことができるのです 154 00:07:19,000 --> 00:07:21,000 簡単でしょう? 155 00:07:21,000 --> 00:07:23,000 これがLinked Dataなのです 何年か前に 156 00:07:23,000 --> 00:07:26,000 私は"Linked Data"という記事を書きました 157 00:07:26,000 --> 00:07:30,000 そしてその後、物事が進み始めたのです 158 00:07:30,000 --> 00:07:34,000 このLinked Dataは、ハンスが示したように 159 00:07:34,000 --> 00:07:36,000 沢山の箱を私たち自身が持ち、そこから 160 00:07:36,000 --> 00:07:38,000 沢山の芽が伸びてくるイメージです 161 00:07:38,000 --> 00:07:41,000 単なる沢山の草というのではなく 162 00:07:41,000 --> 00:07:43,000 一本の草が伸びている根というのでもなく 163 00:07:43,000 --> 00:07:46,000 それぞれの植物は、それがプレゼンテーションや分析結果であれ、 164 00:07:46,000 --> 00:07:49,000 データにパターンを見出そうとする人が 165 00:07:49,000 --> 00:07:52,000 あらゆるデータを見ることができ 166 00:07:52,000 --> 00:07:54,000 データをつなぎ合せることができるのです 167 00:07:54,000 --> 00:07:56,000 そしてデータに関して最も重要なのは、 168 00:07:56,000 --> 00:07:58,000 繋がるデータが多い程、価値が高まるということです 169 00:07:58,000 --> 00:08:00,000 という訳で、Linked Dataという 170 00:08:00,000 --> 00:08:02,000 ミームは世の中に放たれました 171 00:08:02,000 --> 00:08:06,000 程なくして、これに関する興味深いものをはじめに発表した一人である 172 00:08:06,000 --> 00:08:08,000 ベルリン自由大学のクリス ビッツァは、 173 00:08:08,000 --> 00:08:10,000 Wikipediaに目を向けました 174 00:08:10,000 --> 00:08:13,000 皆さんのご存知の、興味深い膨大な文書が 175 00:08:13,000 --> 00:08:15,000 詰まったオンライン辞書です 176 00:08:15,000 --> 00:08:19,000 それらの文書には小さな囲み記事があり 177 00:08:19,000 --> 00:08:22,000 それらインフォボックスの中にはデータがあります 178 00:08:22,000 --> 00:08:26,000 彼はそれらのデータをWikipediaから抽出してウェブ上の 179 00:08:26,000 --> 00:08:28,000 Linked Dataのノードに 180 00:08:28,000 --> 00:08:31,000 入れるためのプログラムを作りました Dbpediaです 181 00:08:31,000 --> 00:08:35,000 Dbpediaは、このスライドで真ん中に見える青い塊として表現されています 182 00:08:35,000 --> 00:08:37,000 そして実際にベルリンを調べてみると、 183 00:08:37,000 --> 00:08:39,000 他にもベルリンに関連する様々なデータが 184 00:08:39,000 --> 00:08:42,000 互いに繋がっていることを見る事ができます 185 00:08:42,000 --> 00:08:45,000 Dbpediaからベルリンに関してデータを取得すれば、 186 00:08:45,000 --> 00:08:47,000 他の情報も合わせて引っ張りだせます 187 00:08:47,000 --> 00:08:50,000 そしてワクワクすることに、それが成長し始めたのです 188 00:08:50,000 --> 00:08:52,000 これもまた、全くの草の根の運動なのです 189 00:08:52,000 --> 00:08:55,000 データに関して少々考えてみましょう 190 00:08:55,000 --> 00:08:58,000 データは様々な形で存在します 191 00:08:58,000 --> 00:09:01,000 ウェブの多様性を考えてみてください ウェブが様々なデータを 192 00:09:01,000 --> 00:09:04,000 自由に設置することを許容している点が非常に重要なのです 193 00:09:04,000 --> 00:09:06,000 いろいろなデータについてご紹介できます 194 00:09:07,000 --> 00:09:11,000 政府のデータというのがあります 企業データというのも非常に重要です 195 00:09:11,000 --> 00:09:14,000 科学データや、個人データ、 196 00:09:14,000 --> 00:09:16,000 気象データに、イベントに関するデータ、 197 00:09:16,000 --> 00:09:20,000 講演に関するデータや、ニュースなどといったあらゆるデータが存在します 198 00:09:20,000 --> 00:09:23,000 皆さんには、ウェブの多様性について理解して頂き、 199 00:09:23,000 --> 00:09:25,000 さらに解放される可能性を持ったデータの 200 00:09:25,000 --> 00:09:29,000 多さを知って頂くために、いくつかを紹介するだけにとどめます 201 00:09:29,000 --> 00:09:31,000 政府のデータから始めましょう 202 00:09:31,000 --> 00:09:33,000 バラック オバマは、スピーチで、 203 00:09:33,000 --> 00:09:38,000 アメリカ政府のデータをインターネットから利用できるようにすると言いました 204 00:09:38,000 --> 00:09:40,000 私は政府がLinked Dataとして 205 00:09:40,000 --> 00:09:42,000 データを公開することを願います 206 00:09:42,000 --> 00:09:44,000 それが重要なのです なぜでしょうか 207 00:09:44,000 --> 00:09:47,000 透明性の為だけではありません もちろん透明性は重要ですが、 208 00:09:47,000 --> 00:09:50,000 そのデータは、全ての政府の機関から集められたデータです 209 00:09:50,000 --> 00:09:55,000 その中にアメリカの人々の生活についてのデータがどれほどあることでしょう 210 00:09:55,000 --> 00:09:57,000 それは実際に役に立ち、価値があります 211 00:09:57,000 --> 00:09:59,000 自分の会社で使うことができます 212 00:09:59,000 --> 00:10:01,000 子供が宿題をするのに使うこともできます 213 00:10:01,000 --> 00:10:04,000 つまりこのデータが利用できることによって、 214 00:10:04,000 --> 00:10:06,000 世界をより良くしようという話なのです 215 00:10:06,000 --> 00:10:10,000 政府機関がデータをどう扱っているかお分りと思いますが 216 00:10:10,000 --> 00:10:12,000 彼らはデータを公開せずに 217 00:10:12,000 --> 00:10:15,000 抱え込んでいる傾向が強いのです 218 00:10:15,000 --> 00:10:18,000 ハンスはこれを「データベースの抱え込み」と呼んでいます 219 00:10:18,000 --> 00:10:20,000 データベースを抱きかかえ、美しいサイトが 220 00:10:20,000 --> 00:10:22,000 完成するまで見せようとしないのです 221 00:10:22,000 --> 00:10:24,000 私は、それをするよりかは、 222 00:10:24,000 --> 00:10:26,000 ええ、美しいウェブサイトを作ってください 223 00:10:26,000 --> 00:10:28,000 美しく作るなと言っている訳ではないのです 224 00:10:28,000 --> 00:10:31,000 美しいウェブサイトは是非作ってください ですが、まず始めに、 225 00:10:31,000 --> 00:10:34,000 私たちに手が加わっていない生データを下さい 226 00:10:34,000 --> 00:10:36,000 私たちが欲しいのはそのデータなのです 227 00:10:36,000 --> 00:10:38,000 生のデータを公開して頂きたいのです 228 00:10:38,000 --> 00:10:41,000 生データを今すぐ解放して欲しいことを伝えなければなりません 229 00:10:41,000 --> 00:10:43,000 これからみんなで言う練習をしましょう 230 00:10:43,000 --> 00:10:44,000 ティム: 「生の」 231 00:10:44,000 --> 00:10:45,000 会場:「生の」 232 00:10:45,000 --> 00:10:46,000 ティム: 「データを」 233 00:10:46,000 --> 00:10:47,000 会場:「データを」 234 00:10:47,000 --> 00:10:48,000 ティム: 「今すぐに!」 235 00:10:48,000 --> 00:10:49,000 会場:「今すぐに!」 236 00:10:49,000 --> 00:10:51,000 ティム: そう、「生のデータを、今すぐに!」 237 00:10:51,000 --> 00:10:53,000 会場:「生のデータを、今すぐに!」 238 00:10:53,000 --> 00:10:57,000 是非練習してください 私たちが納税者としてそのお金を出しているというのに 239 00:10:57,000 --> 00:10:59,000 彼らは多くの理由をつけ、データを保管し、 240 00:10:59,000 --> 00:11:03,000 皆さんにデータを公開しないので、この言葉はとても重要なのです 241 00:11:03,000 --> 00:11:05,000 そしてこれは世界中で起きていることです 242 00:11:05,000 --> 00:11:08,000 もちろん政府に限ったことではなく、企業に対してもそうです 243 00:11:08,000 --> 00:11:11,000 データに対する私の考えについてもう少し話したいと思います 244 00:11:11,000 --> 00:11:16,000 ここTEDでは、常に人類社会が現在直面している 245 00:11:16,000 --> 00:11:21,000 大きな課題に対して意識しています 246 00:11:21,000 --> 00:11:24,000 癌の治療、アルツハイマー治療のための脳の理解 247 00:11:24,000 --> 00:11:27,000 より安定させることを目的とした経済への理解や、 248 00:11:27,000 --> 00:11:29,000 世界の仕組みに対する理解など 249 00:11:29,000 --> 00:11:31,000 これらの課題の解決を目指す学者は、 250 00:11:31,000 --> 00:11:33,000 アイディアを頭の中に持ちつつ、 251 00:11:33,000 --> 00:11:36,000 ウェブを介して情報を交換し合っています 252 00:11:36,000 --> 00:11:39,000 しかしながら、現在の人類における知識の大半は、 253 00:11:39,000 --> 00:11:42,000 データベースに存在し、大抵コンピューター内に留まり、 254 00:11:42,000 --> 00:11:45,000 実際に共有されていません 255 00:11:45,000 --> 00:11:48,000 実際、例えば、もしあなたがアルツハイマー病に関する 256 00:11:48,000 --> 00:11:50,000 創薬について情報を探すと、多くの 257 00:11:50,000 --> 00:11:53,000 Linked Dataが公開されつつあることを知るでしょう 258 00:11:53,000 --> 00:11:55,000 なぜならその分野の科学者達は 259 00:11:55,000 --> 00:11:58,000 今まで、ゲノムデータを一つのデータベースに格納し、 260 00:11:58,000 --> 00:12:02,000 タンパク質のデータを別のデータベースに格納していたことから、 261 00:12:02,000 --> 00:12:05,000 それらの情報を解放するきっかけになることに気づいたからです 262 00:12:05,000 --> 00:12:08,000 今や彼らはそれをLinked Dataにしており 263 00:12:08,000 --> 00:12:11,000 今まで問うことのできなかった質問が 264 00:12:11,000 --> 00:12:13,000 問えるようになりました 265 00:12:13,000 --> 00:12:15,000 「シグナル伝達及び錐体神経に関係する 266 00:12:15,000 --> 00:12:17,000 タンパク質は何か」 267 00:12:17,000 --> 00:12:20,000 この質問をグーグルに投げかけてみましょう 268 00:12:20,000 --> 00:12:23,000 もちろん、だれも以前にこの質問をした人がいなかったことから、 269 00:12:23,000 --> 00:12:25,000 この質問に答えるページは存在しません 270 00:12:25,000 --> 00:12:27,000 22万3千ページがヒットしますが、 271 00:12:27,000 --> 00:12:29,000 参考になるページはありませんでした 272 00:12:29,000 --> 00:12:32,000 次にLinked Dataのシステムに質問してみると、 273 00:12:32,000 --> 00:12:36,000 32件ヒットし、そのどれもが問うている性質を持ったタンパク質で 274 00:12:36,000 --> 00:12:38,000 そこから調べることができます 275 00:12:38,000 --> 00:12:41,000 科学者として、このように、異なる領域を実際にまたぐ質問を 276 00:12:41,000 --> 00:12:43,000 することが出来るようになったこと、 277 00:12:43,000 --> 00:12:46,000 これは、大きな変化です 278 00:12:46,000 --> 00:12:48,000 それはとても重要なことです 279 00:12:48,000 --> 00:12:50,000 科学者達は、他の科学者達が収集し 280 00:12:50,000 --> 00:12:55,000 外部から隔てられたデータの前に完全に立ち往生している状況であり、 281 00:12:55,000 --> 00:12:58,000 解放することで、大きな問題に取り組める体制が必用です 282 00:12:58,000 --> 00:13:02,000 おそらく皆さんは全てのデータは巨大な研究機関から生まれてくるものであり、 283 00:13:02,000 --> 00:13:05,000 個人には関係のない話と思っているかもしれません 284 00:13:05,000 --> 00:13:07,000 でもそれは違います 285 00:13:07,000 --> 00:13:09,000 データは私たちの生活より生まれるものです 286 00:13:09,000 --> 00:13:12,000 お好きなソーシャルネットワークサイトにアクセスし、 287 00:13:12,000 --> 00:13:14,000 「この人は私の友人です」と言えば、 288 00:13:14,000 --> 00:13:17,000 「チーン!」関係性と共にデータが生まれます 289 00:13:17,000 --> 00:13:20,000 「この写真は、この人を撮したものです。」と言えば、 290 00:13:20,000 --> 00:13:23,000 「チーン!」これもデータです データ、データ、データ 291 00:13:23,000 --> 00:13:25,000 ソーシャルネットワークサイトで 292 00:13:25,000 --> 00:13:29,000 何かをする度に、それらのデータをサイト側が取得し、利用することで、 293 00:13:29,000 --> 00:13:33,000 サイト上の他の人々の生活を更に面白くなるようにしています 294 00:13:33,000 --> 00:13:35,000 それでも、別のLinked Dataを 295 00:13:35,000 --> 00:13:38,000 使ったサイトに行けば、例えば、旅行関連サイトがあるとして、 296 00:13:38,000 --> 00:13:41,000 この写真をそのグループに所属している全員に送りたくとも 297 00:13:41,000 --> 00:13:43,000 サイト間で、写真は送れません 298 00:13:43,000 --> 00:13:45,000 エコノミスト誌や多くのブログで話題になる 299 00:13:45,000 --> 00:13:46,000 不満が存在するのです 300 00:13:46,000 --> 00:13:48,000 この壁を取り払うには、サイト同士の 301 00:13:48,000 --> 00:13:50,000 相互運用性を持たせることです 302 00:13:50,000 --> 00:13:52,000 Linked Dataなら可能なのです 303 00:13:52,000 --> 00:13:55,000 最後にご紹介するお話は、恐らく最も面白いものだと思います 304 00:13:55,000 --> 00:13:58,000 ここに来る前に、私はOpenStreetMapを使いました 305 00:13:58,000 --> 00:14:00,000 これは地図であり、Wikiでもあります 306 00:14:00,000 --> 00:14:03,000 この四角を拡大すれば、それは私たちが今いる劇場である、 307 00:14:03,000 --> 00:14:05,000 テラス劇場です 名前がなかったので、 308 00:14:05,000 --> 00:14:07,000 編集モードを使って、この劇場を選択し、 309 00:14:07,000 --> 00:14:12,000 名前を一番下に追加し、保存しました 310 00:14:12,000 --> 00:14:15,000 再度このOpenStreetMap.orgに戻ってみると、 311 00:14:15,000 --> 00:14:18,000 この場所、テラス劇場に名前が付けられていることが分かります 312 00:14:18,000 --> 00:14:20,000 私がやったんですよ! 313 00:14:20,000 --> 00:14:22,000 僕が地図に名前を付けたんだ! 314 00:14:22,000 --> 00:14:24,000 俺がつけてやったんだよ、どうだい? 315 00:14:24,000 --> 00:14:27,000 この市街地図は、私のように、みんなでそれぞれほんの少しずつ 316 00:14:27,000 --> 00:14:30,000 手を加える事で、 317 00:14:30,000 --> 00:14:33,000 途方もない資料を作り出しているのです 318 00:14:33,000 --> 00:14:36,000 そしてそれこそがLinked Dataの本質なのです 319 00:14:36,000 --> 00:14:39,000 人々が、幾ばくかの情報を提供し、 320 00:14:39,000 --> 00:14:42,000 それが全て繋がっていくのです 321 00:14:42,000 --> 00:14:45,000 そうやってLinked Dataは機能するのです 322 00:14:45,000 --> 00:14:49,000 あなたも、他の人も、それぞれの情報を提供するのです 323 00:14:49,000 --> 00:14:53,000 あなた自身には、ウェブに載せるだけの大量のデータがなかったとしても 324 00:14:53,000 --> 00:14:56,000 要求することはできます 325 00:14:56,000 --> 00:14:58,000 私たちはそれを練習しました 326 00:14:58,000 --> 00:15:02,000 というわけでLinked Dataです これは途方もないものです 327 00:15:02,000 --> 00:15:05,000 私はまだほんの一握りのことしか皆さんに紹介していません 328 00:15:05,000 --> 00:15:07,000 私たちの生活には仕事や娯楽をはじめ、 329 00:15:07,000 --> 00:15:10,000 あらゆる面にデータが存在し、 330 00:15:10,000 --> 00:15:13,000 ただ、データが生成される拠点の数が課題なのではなく、 331 00:15:13,000 --> 00:15:16,000 それを繋げていくことが重要なのです 332 00:15:16,000 --> 00:15:19,000 文書としてのウェブでは得られなかった力が 333 00:15:19,000 --> 00:15:22,000 データを繋ぎ合せることで得られるのです 334 00:15:22,000 --> 00:15:26,000 この中から本当に途方もなく巨大な力が生まれます 335 00:15:26,000 --> 00:15:29,000 今はこれが素晴らしいアイディアだと思う人々が 336 00:15:29,000 --> 00:15:33,000 行動を起こすべき時です 337 00:15:33,000 --> 00:15:36,000 他のみんなが参加して初めて見返りの得られる 338 00:15:36,000 --> 00:15:38,000 投資効果がすぐにはない話であっても 339 00:15:38,000 --> 00:15:41,000 それを実行に移す人がTEDにもたくさんいます 340 00:15:41,000 --> 00:15:45,000 それは彼らが、それを実行し、周りもそれに倣えば 341 00:15:45,000 --> 00:15:48,000 世の中がより良くなると信じているからです 342 00:15:48,000 --> 00:15:50,000 これがLinked Dataです 343 00:15:50,000 --> 00:15:52,000 皆さんにはこれを作って頂きたいのです 344 00:15:52,000 --> 00:15:54,000 皆さんにはこれを要求して頂きたいのです 345 00:15:54,000 --> 00:15:56,000 それが、私の世に広めるべきアイディアです 346 00:15:56,000 --> 00:15:57,000 ありがとうございました 347 00:15:57,000 --> 00:16:00,000 (拍手)