1 00:00:00,000 --> 00:00:03,000 今日は貯蓄を増やすことについてお話しします 2 00:00:03,000 --> 00:00:06,000 といっても今日ではなくて 明日です 3 00:00:06,000 --> 00:00:08,000 これは「明日はもっと!貯蓄法」の話です 4 00:00:08,000 --> 00:00:10,000 それはシカゴ大学のリチャード・セイラーと私が 5 00:00:10,000 --> 00:00:12,000 それはシカゴ大学のリチャード・セイラーと私が 6 00:00:12,000 --> 00:00:15,000 およそ15年前に考案したプログラムです 7 00:00:15,000 --> 00:00:17,000 このプログラムは 言ってみれば 8 00:00:17,000 --> 00:00:19,000 「行動ファイナンス」を 9 00:00:19,000 --> 00:00:21,000 より強力にしたもの― 10 00:00:21,000 --> 00:00:24,000 行動ファイナンスの活用に関するものです 11 00:00:24,000 --> 00:00:27,000 「行動ファイナンス」とは何かと お尋ねになるかもしれませんね 12 00:00:27,000 --> 00:00:30,000 では 我々がお金をどう管理しているのか 考えてみましょう 13 00:00:30,000 --> 00:00:33,000 まずは住宅ローンから 14 00:00:33,000 --> 00:00:35,000 これは少なくともアメリカでは 15 00:00:35,000 --> 00:00:37,000 最近 話題になっていることです 16 00:00:37,000 --> 00:00:39,000 多くの人たちは 17 00:00:39,000 --> 00:00:42,000 お金の許す限り大きな家を買います 18 00:00:42,000 --> 00:00:45,000 実際はそれよりちょっと大きめですが 19 00:00:45,000 --> 00:00:48,000 そしてそれを抵当に入れる 20 00:00:48,000 --> 00:00:50,000 後から彼らは銀行を責めるのです 21 00:00:50,000 --> 00:00:53,000 「住宅ローンを背負わせた悪い奴らだ!」と 22 00:00:53,000 --> 00:00:55,000 こんなことも考えてみましょう 23 00:00:55,000 --> 00:00:57,000 我々がどのようにリスクを扱っているか― 24 00:00:57,000 --> 00:00:59,000 たとえば株式市場への投資です 25 00:00:59,000 --> 00:01:02,000 2年前 3年前 4年前 26 00:01:02,000 --> 00:01:04,000 市場は好調でした 27 00:01:04,000 --> 00:01:07,000 我々はリスクを冒すことも辞しませんでした 当然ですよね 28 00:01:07,000 --> 00:01:09,000 そして株式市場が衰退すると 29 00:01:09,000 --> 00:01:11,000 我々はこうです 「ああ 30 00:01:11,000 --> 00:01:14,000 この喪失感は 31 00:01:14,000 --> 00:01:17,000 この喪失感は 32 00:01:17,000 --> 00:01:20,000 市場が好調だった時に考えていたのとは 33 00:01:20,000 --> 00:01:22,000 大違いじゃないか」 34 00:01:22,000 --> 00:01:25,000 そう 我々はリスクを負うことは 35 00:01:25,000 --> 00:01:27,000 あまり上手でないのです 36 00:01:27,000 --> 00:01:30,000 iPhoneをお持ちの方は何人おられますか? 37 00:01:30,000 --> 00:01:33,000 持っている人? すばらしい 38 00:01:33,000 --> 00:01:36,000 皆さんのうちの多くは 39 00:01:36,000 --> 00:01:39,000 iPhoneに保険をかけているでしょう 40 00:01:39,000 --> 00:01:42,000 保証を追加することで保険に入っているのです 41 00:01:42,000 --> 00:01:44,000 iPhoneをなくした場合にはこう 42 00:01:44,000 --> 00:01:46,000 こういう場合にはこう とかね 43 00:01:46,000 --> 00:01:48,000 このうち子どもさんのいる方は? 44 00:01:48,000 --> 00:01:50,000 該当の方は? 45 00:01:50,000 --> 00:01:52,000 手をあげていて下さいね 46 00:01:52,000 --> 00:01:55,000 このうち十分な生命保険をかけている方は? 47 00:01:55,000 --> 00:01:57,000 多くの手が下がりましたね 48 00:01:57,000 --> 00:01:59,000 おそらく 49 00:01:59,000 --> 00:02:01,000 皆さんは代表的サンプルです 50 00:02:01,000 --> 00:02:03,000 というのも皆さんの多くは 51 00:02:03,000 --> 00:02:06,000 たとえ子どもがいても 52 00:02:06,000 --> 00:02:08,000 命よりiPhoneに保険をかけているのです 53 00:02:08,000 --> 00:02:11,000 我々は保険のことは得意でないのです 54 00:02:11,000 --> 00:02:15,000 アメリカの平均的世帯は 55 00:02:15,000 --> 00:02:18,000 1年に1000ドルを 56 00:02:18,000 --> 00:02:20,000 宝くじに費やします 57 00:02:20,000 --> 00:02:23,000 気違いじみていると思うでしょう 58 00:02:23,000 --> 00:02:26,000 1年に1000ドルも宝くじに費やす方 おられますか? 59 00:02:26,000 --> 00:02:28,000 誰もおられませんね 60 00:02:28,000 --> 00:02:31,000 つまり この場にいない人たちが 61 00:02:31,000 --> 00:02:33,000 1000ドル以上費やしているということです 62 00:02:33,000 --> 00:02:36,000 そうすると平均が1000ドルになります 63 00:02:36,000 --> 00:02:38,000 低所得の人々は 64 00:02:38,000 --> 00:02:42,000 宝くじに1000ドル以上費やすのです 65 00:02:42,000 --> 00:02:44,000 つまりどういうことか? 66 00:02:44,000 --> 00:02:47,000 我々はお金の管理が得意でないのです 67 00:02:47,000 --> 00:02:50,000 「行動ファイナンス」は 68 00:02:50,000 --> 00:02:52,000 心理学と経済学の組み合わせです 69 00:02:52,000 --> 00:02:54,000 そして人々の 70 00:02:54,000 --> 00:02:56,000 お金にまつわる間違いを理解しようとします 71 00:02:56,000 --> 00:02:58,000 そして残り 72 00:02:58,000 --> 00:03:02,000 12分と53秒ありますから 73 00:03:02,000 --> 00:03:04,000 私はお金の管理方法について 74 00:03:04,000 --> 00:03:06,000 面白いお話をしたいとは思いますが 75 00:03:06,000 --> 00:03:09,000 皆さんは最後には これを使って人助けしたくなるでしょう 76 00:03:09,000 --> 00:03:12,000 それこそが 今日私が 真に注目したい点なのです 77 00:03:12,000 --> 00:03:14,000 我々はどのようにすれば 78 00:03:14,000 --> 00:03:17,000 人々のお金に関する間違いを理解できるでしょうか 79 00:03:17,000 --> 00:03:20,000 そしてどのようにすれば この問題行動を 80 00:03:20,000 --> 00:03:22,000 解決行動に変えていけるでしょうか? 81 00:03:22,000 --> 00:03:24,000 そして今日私がお話しすることは 82 00:03:24,000 --> 00:03:26,000 「明日はもっと!貯蓄法」です 83 00:03:26,000 --> 00:03:28,000 貯蓄についてのお話を致しましょう 84 00:03:28,000 --> 00:03:30,000 貯蓄についてのお話を致しましょう 85 00:03:30,000 --> 00:03:32,000 ここにいるのは 86 00:03:32,000 --> 00:03:34,000 100人のアメリカ人の 87 00:03:34,000 --> 00:03:36,000 代表的サンプルです 88 00:03:36,000 --> 00:03:39,000 彼らの貯蓄行動を見てみましょう 89 00:03:39,000 --> 00:03:41,000 まず注目すべきは 90 00:03:41,000 --> 00:03:43,000 彼らの半分は 91 00:03:43,000 --> 00:03:45,000 401(K)プラン(確定拠出年金)に 92 00:03:45,000 --> 00:03:47,000 アクセスさえできないことです 93 00:03:47,000 --> 00:03:50,000 彼らは楽に貯蓄することができません 94 00:03:50,000 --> 00:03:53,000 彼らはお金を目にしたり 95 00:03:53,000 --> 00:03:55,000 触ったりする前に 96 00:03:55,000 --> 00:03:57,000 給料から401(k)プランに 97 00:03:57,000 --> 00:03:59,000 天引きして貯めることができないのです 98 00:03:59,000 --> 00:04:02,000 残りの半分の人々はどうでしょう? 99 00:04:02,000 --> 00:04:05,000 なかには貯蓄しないことを選ぶ人もいます 100 00:04:05,000 --> 00:04:07,000 彼らは怠惰すぎるのです 101 00:04:07,000 --> 00:04:10,000 複雑なウェブサイトを閲覧して 102 00:04:10,000 --> 00:04:13,000 17回クリックして401(k)プランに 加入しようとはしないのです 103 00:04:13,000 --> 00:04:15,000 さらに彼らはどのように投資するかを 104 00:04:15,000 --> 00:04:17,000 52の選択肢から選ばなければなりません 105 00:04:17,000 --> 00:04:21,000 マネー・マーケット・ファンドなど聞いたこともなく 106 00:04:21,000 --> 00:04:23,000 そして圧倒され加入しません 107 00:04:23,000 --> 00:04:28,000 どれだけの人が最終的に401(K)プランに 加入するのでしょうか? 108 00:04:28,000 --> 00:04:31,000 アメリカ人の3分の1です 109 00:04:31,000 --> 00:04:33,000 3分の2の人は現在貯畜をしていません 110 00:04:33,000 --> 00:04:35,000 彼らはすでに十分蓄えがあるのでしょうか? 111 00:04:35,000 --> 00:04:37,000 少ししか貯畜がないと言っている人を 112 00:04:37,000 --> 00:04:39,000 省いてみましょう 113 00:04:39,000 --> 00:04:41,000 十分に蓄えがあるのは 114 00:04:41,000 --> 00:04:44,000 10人中1人です 115 00:04:44,000 --> 00:04:46,000 10人中9人は 116 00:04:46,000 --> 00:04:49,000 401(K)プランを通じての貯畜ができないか 117 00:04:49,000 --> 00:04:52,000 貯畜しないと決めているか  -または貯畜する決意がないか― 118 00:04:52,000 --> 00:04:55,000 もしくは貯畜が少なすぎる人たちです 119 00:04:55,000 --> 00:04:57,000 貯畜が多すぎる人々の 120 00:04:57,000 --> 00:04:59,000 問題についても考えましょう 121 00:04:59,000 --> 00:05:01,000 これを見て下さい 122 00:05:01,000 --> 00:05:03,000 1人です― 123 00:05:03,000 --> 00:05:06,000 実際には彼を半分に切りましょう 124 00:05:06,000 --> 00:05:09,000 なぜなら1%に満たないからです 125 00:05:09,000 --> 00:05:12,000 「貯畜が多すぎる」と感じているアメリカ人は 126 00:05:12,000 --> 00:05:17,000 だいたい0.5%です 127 00:05:17,000 --> 00:05:19,000 これは何を示唆しているでしょうか? 128 00:05:19,000 --> 00:05:21,000 これこそ私が注目したい点です 129 00:05:21,000 --> 00:05:23,000 我々は 130 00:05:23,000 --> 00:05:25,000 人々が貯畜しない理由を理解せねばなりません 131 00:05:25,000 --> 00:05:27,000 そして我々はその問題行動を 132 00:05:27,000 --> 00:05:29,000 ひっくり返して 133 00:05:29,000 --> 00:05:31,000 解決行動に変えたいのです 134 00:05:31,000 --> 00:05:34,000 そしてそれがいかに強力か見てみましょう 135 00:05:34,000 --> 00:05:36,000 これから人々が貯畜するのを妨げる 136 00:05:36,000 --> 00:05:38,000 問題や 137 00:05:38,000 --> 00:05:41,000 困難さを見ていきますが 138 00:05:41,000 --> 00:05:43,000 一瞬だけ話題を変えさせて下さい 139 00:05:43,000 --> 00:05:47,000 脱線してバナナとチョコレートのお話です 140 00:05:47,000 --> 00:05:50,000 来週また素晴らしい TEDイベントがあるとしましょう 141 00:05:50,000 --> 00:05:52,000 そしてその休憩時間に 142 00:05:52,000 --> 00:05:54,000 軽食が出ることでしょう 143 00:05:54,000 --> 00:05:56,000 あなたはバナナかチョコレートを選べます 144 00:05:56,000 --> 00:05:59,000 バナナを選ぶと思う人は どれくらいおられますか? 145 00:05:59,000 --> 00:06:01,000 来週の仮想TEDイベント中に? 146 00:06:01,000 --> 00:06:03,000 バナナを選ぶ人? 147 00:06:03,000 --> 00:06:05,000 すばらしい 148 00:06:05,000 --> 00:06:07,000 私は科学的に予言しましょう 149 00:06:07,000 --> 00:06:10,000 74%の人がバナナを選びます 150 00:06:10,000 --> 00:06:14,000 そう予測した研究が少なくとも1つあります 151 00:06:15,000 --> 00:06:18,000 そして日が近づくにつれ 152 00:06:18,000 --> 00:06:22,000 人々が何を最終的に食べているか 見てみましょう 153 00:06:23,000 --> 00:06:26,000 バナナを選ぶと想像していた 154 00:06:26,000 --> 00:06:28,000 その当人たちが 155 00:06:28,000 --> 00:06:30,000 結局1週間後には 156 00:06:30,000 --> 00:06:32,000 チョコレートを食べているのです 157 00:06:32,000 --> 00:06:34,000 セルフコントロールは 158 00:06:34,000 --> 00:06:37,000 将来の問題ではありません 159 00:06:37,000 --> 00:06:39,000 チョコレートの誘惑を感じている 160 00:06:39,000 --> 00:06:43,000 まさに今現在の問題なのです 161 00:06:43,000 --> 00:06:46,000 時間と貯畜の間にはどんな関係が あるのでしょうか? 162 00:06:46,000 --> 00:06:49,000 これは「即時的満足」の問題 あるいは 163 00:06:49,000 --> 00:06:53,000 一部の経済学者の言う 「現在志向バイアス」の問題でしょうか? 164 00:06:53,000 --> 00:06:55,000 貯畜について考えてみましょう  我々は貯畜は必要と知っています 165 00:06:55,000 --> 00:06:58,000 来年はしようと思っています しかし今日は使ってしまうのです 166 00:06:58,000 --> 00:07:00,000 クリスマスも近いですしね 167 00:07:00,000 --> 00:07:03,000 我々は知り合い皆にプレゼントを どっさり買ってしまうのです 168 00:07:03,000 --> 00:07:07,000 この現在志向バイアスによる問題は 169 00:07:07,000 --> 00:07:09,000 貯畜について考えさせてはくれますが 170 00:07:09,000 --> 00:07:11,000 結局使って終わるのです 171 00:07:11,000 --> 00:07:13,000 また別の貯畜への障壁について 172 00:07:13,000 --> 00:07:15,000 話をさせて下さい 173 00:07:15,000 --> 00:07:17,000 これは「怠け心」と関連したものです 174 00:07:17,000 --> 00:07:19,000 しかし再び ちょっと寄り道 175 00:07:19,000 --> 00:07:22,000 臓器提供についてです 176 00:07:22,000 --> 00:07:25,000 様々な国を比較した 素晴らしい研究があります 177 00:07:25,000 --> 00:07:28,000 よく似た2つの国を見てみましょう 178 00:07:28,000 --> 00:07:31,000 ドイツとオーストリアです 179 00:07:31,000 --> 00:07:33,000 ドイツでは 180 00:07:33,000 --> 00:07:35,000 もしあなたが臓器を提供したい時は― 181 00:07:35,000 --> 00:07:37,000 そんなひどいこと あなたに 182 00:07:37,000 --> 00:07:39,000 起きてほしくはないですよ― 183 00:07:39,000 --> 00:07:42,000 自動車免許やIDカードを取得する際に 184 00:07:42,000 --> 00:07:44,000 このボックスにチェックするのです 185 00:07:44,000 --> 00:07:46,000 「私は臓器を提供します」 186 00:07:46,000 --> 00:07:48,000 多くの人はボックスにチェックしません 187 00:07:48,000 --> 00:07:50,000 それは負担だからです 考えないといけませんからね 188 00:07:50,000 --> 00:07:53,000 チェックするのは12%の人だけです 189 00:07:53,000 --> 00:07:56,000 オーストリア お隣の国ですが 190 00:07:56,000 --> 00:07:58,000 ちょっと似ていますがちょっと違うのです 191 00:07:58,000 --> 00:08:00,000 どこが違うのでしょうか? 192 00:08:00,000 --> 00:08:02,000 あなたはやはり選択肢をもっています 193 00:08:02,000 --> 00:08:04,000 あなたが決めるのです 194 00:08:04,000 --> 00:08:07,000 臓器を提供するかどうかを 195 00:08:07,000 --> 00:08:09,000 しかし 自動車免許を取得する時 196 00:08:09,000 --> 00:08:11,000 ボックスにチェックするのは 197 00:08:11,000 --> 00:08:15,000 臓器を提供「したくない」場合なのです 198 00:08:15,000 --> 00:08:17,000 誰もチェックする人はいません 199 00:08:17,000 --> 00:08:19,000 それは負担だからです 200 00:08:19,000 --> 00:08:22,000 チェックする人はたった1%で 残りの人は何もしません 201 00:08:22,000 --> 00:08:24,000 何もしないのは非常に一般的です 202 00:08:24,000 --> 00:08:27,000 多くの人はボックスにチェックはしません 203 00:08:27,000 --> 00:08:29,000 これが人命救助や 204 00:08:29,000 --> 00:08:31,000 臓器利用を可能にすることに対して 205 00:08:31,000 --> 00:08:34,000 示唆することは何でしょうか? 206 00:08:34,000 --> 00:08:36,000 ドイツでは チェックを入れた人は12%で 207 00:08:36,000 --> 00:08:39,000 臓器ドナーは12%です 208 00:08:39,000 --> 00:08:41,000 臓器は大幅に不足します 209 00:08:41,000 --> 00:08:43,000 起きてほしくないですが あなたに臓器が必要でも 210 00:08:43,000 --> 00:08:46,000 オーストリアでは 誰もボックスにチェックをしません 211 00:08:46,000 --> 00:08:49,000 したがって 99%の人が 212 00:08:49,000 --> 00:08:51,000 臓器ドナーです 213 00:08:51,000 --> 00:08:53,000 怠け心 つまり行動を起こさないことです 214 00:08:53,000 --> 00:08:55,000 デフォルトの設定は何ですか? 215 00:08:55,000 --> 00:08:57,000 人が何もしない時 216 00:08:57,000 --> 00:09:00,000 決断を遅らせたり チェックを入れない時 それは非常に強力です 217 00:09:00,000 --> 00:09:02,000 決断を遅らせたり チェックを入れない時 それは非常に強力です 218 00:09:02,000 --> 00:09:04,000 考えてみましょう 219 00:09:04,000 --> 00:09:08,000 もし人々が401(K)プランに対して 220 00:09:08,000 --> 00:09:11,000 圧倒され怖がってしまうとどうなるか 221 00:09:11,000 --> 00:09:14,000 我々は自動的にプランに加入させられますか? 222 00:09:14,000 --> 00:09:16,000 それとも放ったらかしにされますか? 223 00:09:16,000 --> 00:09:19,000 多くの401(K)プランでは 224 00:09:19,000 --> 00:09:21,000 もし人々が何もしなかったら 225 00:09:21,000 --> 00:09:24,000 退職後に向けた貯畜をしないままに なってしまうのです 226 00:09:24,000 --> 00:09:26,000 ボックスにチェックをしなかったら です 227 00:09:26,000 --> 00:09:29,000 ボックスにチェックをするのは負担です 228 00:09:29,000 --> 00:09:32,000 我々は行動的障壁をいくつか挙げました 229 00:09:32,000 --> 00:09:35,000 この困難を解決に変える前に 230 00:09:35,000 --> 00:09:37,000 もう1つ サルとリンゴの話をしましょう 231 00:09:37,000 --> 00:09:39,000 いえいえ これは真面目な研究です 232 00:09:39,000 --> 00:09:43,000 そしてこれは行動経済学に 大いに関係があります 233 00:09:43,000 --> 00:09:46,000 サルの群れがリンゴを1個もらいました  とても幸せです 234 00:09:46,000 --> 00:09:48,000 別の群れは2つもらった後 1つ奪われます 235 00:09:48,000 --> 00:09:50,000 すると彼らはまだ1個持っているのに 236 00:09:50,000 --> 00:09:53,000 非常に怒りました 237 00:09:53,000 --> 00:09:56,000 「なぜ自分たちのリンゴを取るんだ?」 238 00:09:56,000 --> 00:09:59,000 これを「損失回避」と言います 239 00:09:59,000 --> 00:10:01,000 我々は物を失うことを嫌います 240 00:10:01,000 --> 00:10:04,000 それが大きなリスクを伴うことでなくても です 241 00:10:04,000 --> 00:10:07,000 あなたはATMに行って 242 00:10:07,000 --> 00:10:09,000 100ドルを引き出して 243 00:10:09,000 --> 00:10:11,000 20ドル札を1枚なくしたと気づくと嫌でしょう 244 00:10:11,000 --> 00:10:13,000 たいしたことではないのに 245 00:10:13,000 --> 00:10:15,000 非常に苦痛です 246 00:10:15,000 --> 00:10:19,000 20ドルは簡単な昼食程度なのに 247 00:10:19,000 --> 00:10:23,000 これが損失回避です 248 00:10:23,000 --> 00:10:26,000 貯蓄の場合にもこれが絡んできます 249 00:10:26,000 --> 00:10:28,000 人々は心理的にも 250 00:10:28,000 --> 00:10:31,000 情緒的 本能的にも 251 00:10:31,000 --> 00:10:33,000 貯蓄を損失と感じるのです 252 00:10:33,000 --> 00:10:36,000 なぜなら消費を抑える必要があるからです 253 00:10:36,000 --> 00:10:38,000 我々はこれで 254 00:10:38,000 --> 00:10:40,000 全ての問題行動について述べました 255 00:10:40,000 --> 00:10:44,000 どれも最終的に貯蓄と関係します 256 00:10:44,000 --> 00:10:47,000 「即時的満足」 257 00:10:47,000 --> 00:10:50,000 つまりチョコ対バナナについて 考えるかどうか 258 00:10:50,000 --> 00:10:53,000 今すぐ貯蓄するのは苦痛なのです 259 00:10:53,000 --> 00:10:55,000 もっと楽しいのは 260 00:10:55,000 --> 00:10:57,000 今は使ってしまうことです 261 00:10:57,000 --> 00:11:00,000 我々は「怠け心」と臓器提供について話しました 262 00:11:00,000 --> 00:11:02,000 ボックスをチェックすることについてです 263 00:11:02,000 --> 00:11:04,000 もし多くのボックスにチェックしないと 264 00:11:04,000 --> 00:11:06,000 401(K)プランに加入できないのなら 265 00:11:06,000 --> 00:11:08,000 人々は行動を先延ばしにして 266 00:11:08,000 --> 00:11:10,000 加入しないでしょう 267 00:11:10,000 --> 00:11:12,000 最後に 「損失回避」です 268 00:11:12,000 --> 00:11:14,000 サルとリンゴの話です 269 00:11:14,000 --> 00:11:17,000 もし人々が心理的に 270 00:11:17,000 --> 00:11:20,000 老後のための貯蓄を 損失ととらえていたら 271 00:11:20,000 --> 00:11:23,000 老後のために貯めようとはしないでしょう 272 00:11:23,000 --> 00:11:25,000 我々はこういった問題を抱えているのです 273 00:11:25,000 --> 00:11:27,000 そしてこれらはリチャード・セイラーと私が 274 00:11:27,000 --> 00:11:29,000 いつも魅了されてきたことなのです― 275 00:11:29,000 --> 00:11:31,000 行動ファイナンスが 276 00:11:31,000 --> 00:11:33,000 「行動ファイナンス強化版」 277 00:11:33,000 --> 00:11:35,000 または「行動ファイナンス2.0」 278 00:11:35,000 --> 00:11:37,000 「実践!行動ファイナンス」と言ってもいい― 279 00:11:37,000 --> 00:11:41,000 それが困難を解決に変えるのです 280 00:11:41,000 --> 00:11:44,000 我々はお恥ずかしいほど 単純な解決法を思いつきました 281 00:11:44,000 --> 00:11:48,000 今日ではなく 「明日はもっと!貯蓄法」です 282 00:11:48,000 --> 00:11:50,000 これは我々が話してきたような困難を 283 00:11:50,000 --> 00:11:52,000 いかにして解決するのでしょうか? 284 00:11:52,000 --> 00:11:54,000 たとえば 285 00:11:54,000 --> 00:11:56,000 バナナとチョコレートの問題を考えましょう 286 00:11:56,000 --> 00:11:59,000 我々は「来週はバナナを食べよう」と考えます 287 00:11:59,000 --> 00:12:02,000 我々は「来年はお金を貯めよう」と考えます 288 00:12:02,000 --> 00:12:05,000 「明日はもっと!貯畜法」によって 289 00:12:05,000 --> 00:12:07,000 従業員たちは 290 00:12:07,000 --> 00:12:09,000 「来年はもっと貯めよう」と考えます 291 00:12:09,000 --> 00:12:11,000 未来のいつかは と 292 00:12:11,000 --> 00:12:13,000 そのいつか 我々は自分たちが 293 00:12:13,000 --> 00:12:15,000 バナナを食べているのを想像はできます 294 00:12:15,000 --> 00:12:17,000 地域でもっとボランティアをすることとか 295 00:12:17,000 --> 00:12:21,000 もっと運動するとか あらゆる善行も そうですね 296 00:12:21,000 --> 00:12:24,000 今 我々はボックスにチェックすること 297 00:12:24,000 --> 00:12:27,000 そして行動を起こすことの難しさをお話ししました 298 00:12:27,000 --> 00:12:29,000 「明日はもっと!貯蓄法」は 299 00:12:29,000 --> 00:12:31,000 これを簡単にしてくれます 300 00:12:31,000 --> 00:12:33,000 自動操縦のようなものです 301 00:12:33,000 --> 00:12:37,000 一度あなたが「将来お金を貯めたい」 と私に話したら 302 00:12:37,000 --> 00:12:39,000 たとえば毎年1月に 303 00:12:39,000 --> 00:12:42,000 あなたは自動的にお金を 貯蓄に振り分けることになります 304 00:12:42,000 --> 00:12:45,000 給料から401(K)プランに天引きするのです 305 00:12:45,000 --> 00:12:47,000 目にする前に 触れる前に 306 00:12:47,000 --> 00:12:49,000 即時的満足に 307 00:12:49,000 --> 00:12:52,000 陥る前に です 308 00:12:52,000 --> 00:12:55,000 しかし 我々はサルと 309 00:12:55,000 --> 00:12:57,000 損失回避に対してはどうしたらいいでしょう? 310 00:12:57,000 --> 00:12:59,000 来年の1月が来て 311 00:12:59,000 --> 00:13:01,000 貯蓄を殖やすとなると 312 00:13:01,000 --> 00:13:04,000 人々は支出を控えなければと考えるでしょうが それは苦痛です 313 00:13:05,000 --> 00:13:07,000 たぶん1月だけ貯金を するのではなく 314 00:13:07,000 --> 00:13:10,000 お金を稼いだ時には 315 00:13:10,000 --> 00:13:13,000 もっと貯蓄してもらった方がいいでしょう 316 00:13:13,000 --> 00:13:16,000 このように お金を稼いだ時や昇給した時 317 00:13:16,000 --> 00:13:20,000 人々は支出を抑えなくてもいいのです 318 00:13:20,000 --> 00:13:22,000 彼らは少しでも 319 00:13:22,000 --> 00:13:24,000 家に持って帰る給料が増えると 320 00:13:24,000 --> 00:13:26,000 それまでより多く使ってしまう― 321 00:13:26,000 --> 00:13:28,000 その増加分のうち少しだけ 322 00:13:28,000 --> 00:13:30,000 401(K)プランに入れてみましょう 323 00:13:30,000 --> 00:13:32,000 それがこのプログラムのやり方なのです 324 00:13:32,000 --> 00:13:34,000 お恥ずかしいほど単純です 325 00:13:34,000 --> 00:13:36,000 しかし我々がこれから見るように 326 00:13:36,000 --> 00:13:38,000 非常に強力です 327 00:13:38,000 --> 00:13:40,000 リチャード・セイラーと私が 328 00:13:40,000 --> 00:13:42,000 これを初めて実践したのは 329 00:13:42,000 --> 00:13:45,000 1998年にさかのぼります 330 00:13:45,000 --> 00:13:48,000 アメリカ中西部のある中規模の会社は 331 00:13:48,000 --> 00:13:50,000 従業員が家計を賄えるだけの 332 00:13:50,000 --> 00:13:52,000 給料を支払うことに苦心していました 333 00:13:52,000 --> 00:13:54,000 従業員たちは繰り返し我々に言いました 334 00:13:54,000 --> 00:13:57,000 「今すぐ貯蓄を殖やすのは無理だ」と 335 00:13:57,000 --> 00:14:00,000 今日貯めてもらおうとは思っていません 336 00:14:00,000 --> 00:14:02,000 我々が勧めたのは 337 00:14:02,000 --> 00:14:05,000 昇給の度に 338 00:14:05,000 --> 00:14:08,000 貯める額を3%増やすことです 339 00:14:08,000 --> 00:14:11,000 その結果がこうです 340 00:14:11,000 --> 00:14:13,000 ここには3年半後の結果を示しています 341 00:14:13,000 --> 00:14:15,000 4回昇給があり 342 00:14:15,000 --> 00:14:17,000 貯畜に苦労していた人たちが 343 00:14:17,000 --> 00:14:19,000 給料の3%を貯め始めました 344 00:14:19,000 --> 00:14:21,000 3年半後 345 00:14:21,000 --> 00:14:24,000 貯蓄する割合はほぼ4倍になりました 346 00:14:24,000 --> 00:14:27,000 ほぼ14%ですね 347 00:14:27,000 --> 00:14:29,000 靴や自転車 348 00:14:29,000 --> 00:14:31,000 その他 この図にあるようなもの 349 00:14:31,000 --> 00:14:33,000 私は単に数値だけを 350 00:14:33,000 --> 00:14:35,000 お見せしたい訳ではなく 351 00:14:35,000 --> 00:14:38,000 この事実について考えたいのです 352 00:14:38,000 --> 00:14:40,000 つまり貯める額を4倍に増やすことが 353 00:14:40,000 --> 00:14:42,000 人々が豊かなライフスタイルを 354 00:14:42,000 --> 00:14:44,000 手に入れる点で 355 00:14:44,000 --> 00:14:46,000 大きな違いを生むのです 356 00:14:46,000 --> 00:14:48,000 これは現実です 357 00:14:48,000 --> 00:14:51,000 それは紙切れに書かれた単なる数ではないのです 358 00:14:51,000 --> 00:14:53,000 3%の貯蓄では 359 00:14:53,000 --> 00:14:55,000 せいぜい歩くための良いスニーカーを 360 00:14:55,000 --> 00:14:57,000 買える程度で 361 00:14:57,000 --> 00:15:01,000 他の物を買う余裕はありません 362 00:15:01,000 --> 00:15:03,000 しかし14%貯畜したら 363 00:15:03,000 --> 00:15:06,000 車を停めている所まで歩くために 364 00:15:06,000 --> 00:15:09,000 お洒落な靴を買えるでしょう 365 00:15:09,000 --> 00:15:11,000 これが現実の違いです 366 00:15:11,000 --> 00:15:16,000 今までに 60%の大企業が 367 00:15:16,000 --> 00:15:19,000 このようなプログラムを 実施してきました 368 00:15:19,000 --> 00:15:22,000 それらは年金保護法の一部として 用いられてきました 369 00:15:22,000 --> 00:15:24,000 そして言うまでもなく セイラーと私は 370 00:15:24,000 --> 00:15:27,000 このプログラムの一部に加えて頂き 371 00:15:27,000 --> 00:15:29,000 大きな違いを生むことができました 372 00:15:29,000 --> 00:15:31,000 締めくくりとして 373 00:15:31,000 --> 00:15:34,000 キーとなるメッセージを2つお伝えします 374 00:15:34,000 --> 00:15:37,000 1つ目は 行動ファイナンスが 375 00:15:37,000 --> 00:15:40,000 非常に強力であるということです 376 00:15:40,000 --> 00:15:43,000 今回はたった一つの例にすぎません 377 00:15:43,000 --> 00:15:45,000 2つ目のメッセージは 378 00:15:45,000 --> 00:15:47,000 まだすべきことが多くあるということです 379 00:15:47,000 --> 00:15:50,000 これは氷山の一角にすぎません 380 00:15:50,000 --> 00:15:53,000 もし人々が住宅ローンに関して 381 00:15:53,000 --> 00:15:56,000 家を買ってから支払いができなくなったら 382 00:15:56,000 --> 00:15:58,000 我々はそれについて考えねばなりません 383 00:15:58,000 --> 00:16:01,000 もし人々が 高すぎるリスクを抱えていても 384 00:16:01,000 --> 00:16:04,000 それがどの程度のリスクなのか 理解していなかったり 385 00:16:04,000 --> 00:16:06,000 あるいはリスクが低すぎるようなら 386 00:16:06,000 --> 00:16:08,000 我々はそれについて考える必要があります 387 00:16:08,000 --> 00:16:11,000 もし1年に1000ドルを費やして 388 00:16:11,000 --> 00:16:13,000 宝くじを買う人たちがいるのなら 389 00:16:13,000 --> 00:16:15,000 我々はそれについて考えねばなりません 390 00:16:15,000 --> 00:16:17,000 平均でみると 391 00:16:17,000 --> 00:16:19,000 最高記録はシンガポールです 392 00:16:19,000 --> 00:16:21,000 平均的な世帯が 393 00:16:21,000 --> 00:16:24,000 宝くじに年間4000ドル費やしています 394 00:16:24,000 --> 00:16:26,000 すべきことは たくさんあります 395 00:16:26,000 --> 00:16:28,000 同様に 退職に関する領域にも 396 00:16:28,000 --> 00:16:31,000 解決すべきことがたくさんあります 397 00:16:31,000 --> 00:16:33,000 つまり退職後のお金の使い方を 398 00:16:33,000 --> 00:16:35,000 考える際にです 399 00:16:35,000 --> 00:16:37,000 最後に1つだけ質問させて下さい 400 00:16:37,000 --> 00:16:40,000 皆さんのうち何人が 401 00:16:40,000 --> 00:16:42,000 「退職に向けて非常に堅実な 402 00:16:42,000 --> 00:16:45,000 計画を持っている」 と安心しておられますか? 403 00:16:45,000 --> 00:16:47,000 あなたが退職する時 404 00:16:47,000 --> 00:16:50,000 そして社会保険給付を請求する時 405 00:16:50,000 --> 00:16:52,000 どんなライフスタイルを望みますか 406 00:16:52,000 --> 00:16:54,000 お金が足りなくならないようにするには 407 00:16:54,000 --> 00:16:56,000 毎月いくら使えますか? 408 00:16:56,000 --> 00:16:59,000 「自分には堅実な将来計画がある」と 感じている方は何人おられますか? 409 00:16:59,000 --> 00:17:03,000 退職後の決定の際に 410 00:17:04,000 --> 00:17:07,000 1 2 3 4 411 00:17:07,000 --> 00:17:09,000 非常に洗練された聴衆の中でも 412 00:17:09,000 --> 00:17:11,000 3%に満たないですね 413 00:17:11,000 --> 00:17:14,000 行動ファイナンスはまだまだこれからです 414 00:17:14,000 --> 00:17:16,000 たくさんの機会を通じて 415 00:17:16,000 --> 00:17:20,000 繰り返しそれを強力なものにしていけます 416 00:17:20,000 --> 00:17:22,000 ありがとうございました 417 00:17:22,000 --> 00:17:24,000 (拍手)