0:00:00.000,0:00:03.000
今日は貯蓄を増やすことについてお話しします

0:00:03.000,0:00:06.000
といっても今日ではなくて 明日です

0:00:06.000,0:00:08.000
これは「明日はもっと！貯蓄法」の話です

0:00:08.000,0:00:10.000
それはシカゴ大学のリチャード・セイラーと私が

0:00:10.000,0:00:12.000
それはシカゴ大学のリチャード・セイラーと私が

0:00:12.000,0:00:15.000
およそ15年前に考案したプログラムです

0:00:15.000,0:00:17.000
このプログラムは 言ってみれば

0:00:17.000,0:00:19.000
「行動ファイナンス」を

0:00:19.000,0:00:21.000
より強力にしたもの―

0:00:21.000,0:00:24.000
行動ファイナンスの活用に関するものです

0:00:24.000,0:00:27.000
「行動ファイナンス」とは何かと[br]お尋ねになるかもしれませんね

0:00:27.000,0:00:30.000
では　我々がお金をどう管理しているのか[br]考えてみましょう

0:00:30.000,0:00:33.000
まずは住宅ローンから

0:00:33.000,0:00:35.000
これは少なくともアメリカでは

0:00:35.000,0:00:37.000
最近 話題になっていることです

0:00:37.000,0:00:39.000
多くの人たちは

0:00:39.000,0:00:42.000
お金の許す限り大きな家を買います

0:00:42.000,0:00:45.000
実際はそれよりちょっと大きめですが

0:00:45.000,0:00:48.000
そしてそれを抵当に入れる

0:00:48.000,0:00:50.000
後から彼らは銀行を責めるのです

0:00:50.000,0:00:53.000
「住宅ローンを背負わせた悪い奴らだ！」と

0:00:53.000,0:00:55.000
こんなことも考えてみましょう

0:00:55.000,0:00:57.000
我々がどのようにリスクを扱っているか―

0:00:57.000,0:00:59.000
たとえば株式市場への投資です

0:00:59.000,0:01:02.000
２年前 ３年前 ４年前

0:01:02.000,0:01:04.000
市場は好調でした

0:01:04.000,0:01:07.000
我々はリスクを冒すことも辞しませんでした[br]当然ですよね

0:01:07.000,0:01:09.000
そして株式市場が衰退すると

0:01:09.000,0:01:11.000
我々はこうです 「ああ

0:01:11.000,0:01:14.000
この喪失感は

0:01:14.000,0:01:17.000
この喪失感は

0:01:17.000,0:01:20.000
市場が好調だった時に考えていたのとは

0:01:20.000,0:01:22.000
大違いじゃないか」

0:01:22.000,0:01:25.000
そう 我々はリスクを負うことは

0:01:25.000,0:01:27.000
あまり上手でないのです

0:01:27.000,0:01:30.000
iPhoneをお持ちの方は何人おられますか？

0:01:30.000,0:01:33.000
持っている人？ すばらしい

0:01:33.000,0:01:36.000
皆さんのうちの多くは

0:01:36.000,0:01:39.000
iPhoneに保険をかけているでしょう

0:01:39.000,0:01:42.000
保証を追加することで保険に入っているのです

0:01:42.000,0:01:44.000
iPhoneをなくした場合にはこう

0:01:44.000,0:01:46.000
こういう場合にはこう とかね

0:01:46.000,0:01:48.000
このうち子どもさんのいる方は？

0:01:48.000,0:01:50.000
該当の方は？

0:01:50.000,0:01:52.000
手をあげていて下さいね

0:01:52.000,0:01:55.000
このうち十分な生命保険をかけている方は？

0:01:55.000,0:01:57.000
多くの手が下がりましたね

0:01:57.000,0:01:59.000
おそらく

0:01:59.000,0:02:01.000
皆さんは代表的サンプルです

0:02:01.000,0:02:03.000
というのも皆さんの多くは

0:02:03.000,0:02:06.000
たとえ子どもがいても

0:02:06.000,0:02:08.000
命よりiPhoneに保険をかけているのです

0:02:08.000,0:02:11.000
我々は保険のことは得意でないのです

0:02:11.000,0:02:15.000
アメリカの平均的世帯は

0:02:15.000,0:02:18.000
１年に1000ドルを

0:02:18.000,0:02:20.000
宝くじに費やします

0:02:20.000,0:02:23.000
気違いじみていると思うでしょう

0:02:23.000,0:02:26.000
１年に1000ドルも宝くじに費やす方[br]おられますか？

0:02:26.000,0:02:28.000
誰もおられませんね

0:02:28.000,0:02:31.000
つまり　この場にいない人たちが

0:02:31.000,0:02:33.000
1000ドル以上費やしているということです

0:02:33.000,0:02:36.000
そうすると平均が1000ドルになります

0:02:36.000,0:02:38.000
低所得の人々は

0:02:38.000,0:02:42.000
宝くじに1000ドル以上費やすのです

0:02:42.000,0:02:44.000
つまりどういうことか？

0:02:44.000,0:02:47.000
我々はお金の管理が得意でないのです

0:02:47.000,0:02:50.000
「行動ファイナンス」は

0:02:50.000,0:02:52.000
心理学と経済学の組み合わせです

0:02:52.000,0:02:54.000
そして人々の

0:02:54.000,0:02:56.000
お金にまつわる間違いを理解しようとします

0:02:56.000,0:02:58.000
そして残り

0:02:58.000,0:03:02.000
12分と53秒ありますから

0:03:02.000,0:03:04.000
私はお金の管理方法について

0:03:04.000,0:03:06.000
面白いお話をしたいとは思いますが

0:03:06.000,0:03:09.000
皆さんは最後には [br]これを使って人助けしたくなるでしょう

0:03:09.000,0:03:12.000
それこそが 今日私が 真に注目したい点なのです

0:03:12.000,0:03:14.000
我々はどのようにすれば

0:03:14.000,0:03:17.000
人々のお金に関する間違いを理解できるでしょうか

0:03:17.000,0:03:20.000
そしてどのようにすれば この問題行動を

0:03:20.000,0:03:22.000
解決行動に変えていけるでしょうか？

0:03:22.000,0:03:24.000
そして今日私がお話しすることは

0:03:24.000,0:03:26.000
「明日はもっと！貯蓄法」です

0:03:26.000,0:03:28.000
貯蓄についてのお話を致しましょう

0:03:28.000,0:03:30.000
貯蓄についてのお話を致しましょう

0:03:30.000,0:03:32.000
ここにいるのは

0:03:32.000,0:03:34.000
100人のアメリカ人の

0:03:34.000,0:03:36.000
代表的サンプルです

0:03:36.000,0:03:39.000
彼らの貯蓄行動を見てみましょう

0:03:39.000,0:03:41.000
まず注目すべきは

0:03:41.000,0:03:43.000
彼らの半分は

0:03:43.000,0:03:45.000
401(K)プラン（確定拠出年金）に

0:03:45.000,0:03:47.000
アクセスさえできないことです

0:03:47.000,0:03:50.000
彼らは楽に貯蓄することができません

0:03:50.000,0:03:53.000
彼らはお金を目にしたり

0:03:53.000,0:03:55.000
触ったりする前に

0:03:55.000,0:03:57.000
給料から401(k)プランに

0:03:57.000,0:03:59.000
天引きして貯めることができないのです

0:03:59.000,0:04:02.000
残りの半分の人々はどうでしょう？

0:04:02.000,0:04:05.000
なかには貯蓄しないことを選ぶ人もいます

0:04:05.000,0:04:07.000
彼らは怠惰すぎるのです

0:04:07.000,0:04:10.000
複雑なウェブサイトを閲覧して

0:04:10.000,0:04:13.000
17回クリックして401(k)プランに[br]加入しようとはしないのです

0:04:13.000,0:04:15.000
さらに彼らはどのように投資するかを

0:04:15.000,0:04:17.000
52の選択肢から選ばなければなりません

0:04:17.000,0:04:21.000
マネー・マーケット・ファンドなど聞いたこともなく

0:04:21.000,0:04:23.000
そして圧倒され加入しません

0:04:23.000,0:04:28.000
どれだけの人が最終的に401(K)プランに[br]加入するのでしょうか？

0:04:28.000,0:04:31.000
アメリカ人の３分の１です

0:04:31.000,0:04:33.000
３分の２の人は現在貯畜をしていません

0:04:33.000,0:04:35.000
彼らはすでに十分蓄えがあるのでしょうか？

0:04:35.000,0:04:37.000
少ししか貯畜がないと言っている人を

0:04:37.000,0:04:39.000
省いてみましょう

0:04:39.000,0:04:41.000
十分に蓄えがあるのは

0:04:41.000,0:04:44.000
10人中１人です

0:04:44.000,0:04:46.000
10人中９人は

0:04:46.000,0:04:49.000
401(K)プランを通じての貯畜ができないか

0:04:49.000,0:04:52.000
貯畜しないと決めているか　[br]－または貯畜する決意がないか―

0:04:52.000,0:04:55.000
もしくは貯畜が少なすぎる人たちです

0:04:55.000,0:04:57.000
貯畜が多すぎる人々の

0:04:57.000,0:04:59.000
問題についても考えましょう

0:04:59.000,0:05:01.000
これを見て下さい

0:05:01.000,0:05:03.000
１人です―

0:05:03.000,0:05:06.000
実際には彼を半分に切りましょう

0:05:06.000,0:05:09.000
なぜなら１％に満たないからです

0:05:09.000,0:05:12.000
「貯畜が多すぎる」と感じているアメリカ人は

0:05:12.000,0:05:17.000
だいたい0.5％です

0:05:17.000,0:05:19.000
これは何を示唆しているでしょうか？

0:05:19.000,0:05:21.000
これこそ私が注目したい点です

0:05:21.000,0:05:23.000
我々は

0:05:23.000,0:05:25.000
人々が貯畜しない理由を理解せねばなりません

0:05:25.000,0:05:27.000
そして我々はその問題行動を

0:05:27.000,0:05:29.000
ひっくり返して

0:05:29.000,0:05:31.000
解決行動に変えたいのです

0:05:31.000,0:05:34.000
そしてそれがいかに強力か見てみましょう

0:05:34.000,0:05:36.000
これから人々が貯畜するのを妨げる

0:05:36.000,0:05:38.000
問題や

0:05:38.000,0:05:41.000
困難さを見ていきますが

0:05:41.000,0:05:43.000
一瞬だけ話題を変えさせて下さい

0:05:43.000,0:05:47.000
脱線してバナナとチョコレートのお話です

0:05:47.000,0:05:50.000
来週また素晴らしい[br]TEDイベントがあるとしましょう

0:05:50.000,0:05:52.000
そしてその休憩時間に

0:05:52.000,0:05:54.000
軽食が出ることでしょう

0:05:54.000,0:05:56.000
あなたはバナナかチョコレートを選べます

0:05:56.000,0:05:59.000
バナナを選ぶと思う人は[br]どれくらいおられますか？

0:05:59.000,0:06:01.000
来週の仮想TEDイベント中に？

0:06:01.000,0:06:03.000
バナナを選ぶ人？

0:06:03.000,0:06:05.000
すばらしい

0:06:05.000,0:06:07.000
私は科学的に予言しましょう

0:06:07.000,0:06:10.000
74％の人がバナナを選びます

0:06:10.000,0:06:14.000
そう予測した研究が少なくとも１つあります

0:06:15.000,0:06:18.000
そして日が近づくにつれ

0:06:18.000,0:06:22.000
人々が何を最終的に食べているか[br]見てみましょう

0:06:23.000,0:06:26.000
バナナを選ぶと想像していた

0:06:26.000,0:06:28.000
その当人たちが

0:06:28.000,0:06:30.000
結局１週間後には

0:06:30.000,0:06:32.000
チョコレートを食べているのです

0:06:32.000,0:06:34.000
セルフコントロールは

0:06:34.000,0:06:37.000
将来の問題ではありません

0:06:37.000,0:06:39.000
チョコレートの誘惑を感じている

0:06:39.000,0:06:43.000
まさに今現在の問題なのです

0:06:43.000,0:06:46.000
時間と貯畜の間にはどんな関係が[br]あるのでしょうか？

0:06:46.000,0:06:49.000
これは「即時的満足」の問題 あるいは

0:06:49.000,0:06:53.000
一部の経済学者の言う[br]「現在志向バイアス」の問題でしょうか？

0:06:53.000,0:06:55.000
貯畜について考えてみましょう　[br]我々は貯畜は必要と知っています

0:06:55.000,0:06:58.000
来年はしようと思っています[br]しかし今日は使ってしまうのです

0:06:58.000,0:07:00.000
クリスマスも近いですしね

0:07:00.000,0:07:03.000
我々は知り合い皆にプレゼントを[br]どっさり買ってしまうのです

0:07:03.000,0:07:07.000
この現在志向バイアスによる問題は

0:07:07.000,0:07:09.000
貯畜について考えさせてはくれますが

0:07:09.000,0:07:11.000
結局使って終わるのです

0:07:11.000,0:07:13.000
また別の貯畜への障壁について

0:07:13.000,0:07:15.000
話をさせて下さい

0:07:15.000,0:07:17.000
これは「怠け心」と関連したものです

0:07:17.000,0:07:19.000
しかし再び ちょっと寄り道

0:07:19.000,0:07:22.000
臓器提供についてです

0:07:22.000,0:07:25.000
様々な国を比較した[br]素晴らしい研究があります

0:07:25.000,0:07:28.000
よく似た２つの国を見てみましょう

0:07:28.000,0:07:31.000
ドイツとオーストリアです

0:07:31.000,0:07:33.000
ドイツでは

0:07:33.000,0:07:35.000
もしあなたが臓器を提供したい時は―

0:07:35.000,0:07:37.000
そんなひどいこと あなたに

0:07:37.000,0:07:39.000
起きてほしくはないですよ―

0:07:39.000,0:07:42.000
自動車免許やIDカードを取得する際に

0:07:42.000,0:07:44.000
このボックスにチェックするのです

0:07:44.000,0:07:46.000
「私は臓器を提供します」

0:07:46.000,0:07:48.000
多くの人はボックスにチェックしません

0:07:48.000,0:07:50.000
それは負担だからです [br]考えないといけませんからね

0:07:50.000,0:07:53.000
チェックするのは12％の人だけです

0:07:53.000,0:07:56.000
オーストリア お隣の国ですが

0:07:56.000,0:07:58.000
ちょっと似ていますがちょっと違うのです

0:07:58.000,0:08:00.000
どこが違うのでしょうか？

0:08:00.000,0:08:02.000
あなたはやはり選択肢をもっています

0:08:02.000,0:08:04.000
あなたが決めるのです

0:08:04.000,0:08:07.000
臓器を提供するかどうかを

0:08:07.000,0:08:09.000
しかし 自動車免許を取得する時

0:08:09.000,0:08:11.000
ボックスにチェックするのは

0:08:11.000,0:08:15.000
臓器を提供「したくない」場合なのです

0:08:15.000,0:08:17.000
誰もチェックする人はいません

0:08:17.000,0:08:19.000
それは負担だからです

0:08:19.000,0:08:22.000
チェックする人はたった１％で[br]残りの人は何もしません

0:08:22.000,0:08:24.000
何もしないのは非常に一般的です

0:08:24.000,0:08:27.000
多くの人はボックスにチェックはしません

0:08:27.000,0:08:29.000
これが人命救助や

0:08:29.000,0:08:31.000
臓器利用を可能にすることに対して

0:08:31.000,0:08:34.000
示唆することは何でしょうか？

0:08:34.000,0:08:36.000
ドイツでは チェックを入れた人は12％で

0:08:36.000,0:08:39.000
臓器ドナーは12％です

0:08:39.000,0:08:41.000
臓器は大幅に不足します

0:08:41.000,0:08:43.000
起きてほしくないですが[br]あなたに臓器が必要でも

0:08:43.000,0:08:46.000
オーストリアでは [br]誰もボックスにチェックをしません

0:08:46.000,0:08:49.000
したがって 99％の人が

0:08:49.000,0:08:51.000
臓器ドナーです

0:08:51.000,0:08:53.000
怠け心　つまり行動を起こさないことです

0:08:53.000,0:08:55.000
デフォルトの設定は何ですか？

0:08:55.000,0:08:57.000
人が何もしない時

0:08:57.000,0:09:00.000
決断を遅らせたり チェックを入れない時[br]それは非常に強力です

0:09:00.000,0:09:02.000
決断を遅らせたり チェックを入れない時[br]それは非常に強力です

0:09:02.000,0:09:04.000
考えてみましょう

0:09:04.000,0:09:08.000
もし人々が401(K)プランに対して

0:09:08.000,0:09:11.000
圧倒され怖がってしまうとどうなるか

0:09:11.000,0:09:14.000
我々は自動的にプランに加入させられますか？

0:09:14.000,0:09:16.000
それとも放ったらかしにされますか？

0:09:16.000,0:09:19.000
多くの401(K)プランでは

0:09:19.000,0:09:21.000
もし人々が何もしなかったら

0:09:21.000,0:09:24.000
退職後に向けた貯畜をしないままに[br]なってしまうのです

0:09:24.000,0:09:26.000
ボックスにチェックをしなかったら　です

0:09:26.000,0:09:29.000
ボックスにチェックをするのは負担です

0:09:29.000,0:09:32.000
我々は行動的障壁をいくつか挙げました

0:09:32.000,0:09:35.000
この困難を解決に変える前に

0:09:35.000,0:09:37.000
もう１つ サルとリンゴの話をしましょう

0:09:37.000,0:09:39.000
いえいえ これは真面目な研究です

0:09:39.000,0:09:43.000
そしてこれは行動経済学に[br]大いに関係があります

0:09:43.000,0:09:46.000
サルの群れがリンゴを１個もらいました　[br]とても幸せです

0:09:46.000,0:09:48.000
別の群れは２つもらった後　１つ奪われます

0:09:48.000,0:09:50.000
すると彼らはまだ１個持っているのに

0:09:50.000,0:09:53.000
非常に怒りました

0:09:53.000,0:09:56.000
「なぜ自分たちのリンゴを取るんだ？」

0:09:56.000,0:09:59.000
これを「損失回避」と言います

0:09:59.000,0:10:01.000
我々は物を失うことを嫌います

0:10:01.000,0:10:04.000
それが大きなリスクを伴うことでなくても です

0:10:04.000,0:10:07.000
あなたはATMに行って

0:10:07.000,0:10:09.000
100ドルを引き出して

0:10:09.000,0:10:11.000
20ドル札を１枚なくしたと気づくと嫌でしょう

0:10:11.000,0:10:13.000
たいしたことではないのに

0:10:13.000,0:10:15.000
非常に苦痛です

0:10:15.000,0:10:19.000
20ドルは簡単な昼食程度なのに

0:10:19.000,0:10:23.000
これが損失回避です

0:10:23.000,0:10:26.000
貯蓄の場合にもこれが絡んできます

0:10:26.000,0:10:28.000
人々は心理的にも

0:10:28.000,0:10:31.000
情緒的 本能的にも

0:10:31.000,0:10:33.000
貯蓄を損失と感じるのです

0:10:33.000,0:10:36.000
なぜなら消費を抑える必要があるからです

0:10:36.000,0:10:38.000
我々はこれで

0:10:38.000,0:10:40.000
全ての問題行動について述べました

0:10:40.000,0:10:44.000
どれも最終的に貯蓄と関係します

0:10:44.000,0:10:47.000
「即時的満足」

0:10:47.000,0:10:50.000
つまりチョコ対バナナについて[br]考えるかどうか

0:10:50.000,0:10:53.000
今すぐ貯蓄するのは苦痛なのです

0:10:53.000,0:10:55.000
もっと楽しいのは

0:10:55.000,0:10:57.000
今は使ってしまうことです

0:10:57.000,0:11:00.000
我々は「怠け心」と臓器提供について話しました

0:11:00.000,0:11:02.000
ボックスをチェックすることについてです

0:11:02.000,0:11:04.000
もし多くのボックスにチェックしないと

0:11:04.000,0:11:06.000
401(K)プランに加入できないのなら

0:11:06.000,0:11:08.000
人々は行動を先延ばしにして

0:11:08.000,0:11:10.000
加入しないでしょう

0:11:10.000,0:11:12.000
最後に 「損失回避」です

0:11:12.000,0:11:14.000
サルとリンゴの話です

0:11:14.000,0:11:17.000
もし人々が心理的に

0:11:17.000,0:11:20.000
老後のための貯蓄を 損失ととらえていたら

0:11:20.000,0:11:23.000
老後のために貯めようとはしないでしょう

0:11:23.000,0:11:25.000
我々はこういった問題を抱えているのです

0:11:25.000,0:11:27.000
そしてこれらはリチャード・セイラーと私が

0:11:27.000,0:11:29.000
いつも魅了されてきたことなのです―

0:11:29.000,0:11:31.000
行動ファイナンスが

0:11:31.000,0:11:33.000
「行動ファイナンス強化版」

0:11:33.000,0:11:35.000
または「行動ファイナンス2.0」

0:11:35.000,0:11:37.000
「実践！行動ファイナンス」と言ってもいい―

0:11:37.000,0:11:41.000
それが困難を解決に変えるのです

0:11:41.000,0:11:44.000
我々はお恥ずかしいほど[br]単純な解決法を思いつきました

0:11:44.000,0:11:48.000
今日ではなく 「明日はもっと！貯蓄法」です

0:11:48.000,0:11:50.000
これは我々が話してきたような困難を

0:11:50.000,0:11:52.000
いかにして解決するのでしょうか？

0:11:52.000,0:11:54.000
たとえば

0:11:54.000,0:11:56.000
バナナとチョコレートの問題を考えましょう

0:11:56.000,0:11:59.000
我々は「来週はバナナを食べよう」と考えます

0:11:59.000,0:12:02.000
我々は「来年はお金を貯めよう」と考えます

0:12:02.000,0:12:05.000
「明日はもっと！貯畜法」によって

0:12:05.000,0:12:07.000
従業員たちは

0:12:07.000,0:12:09.000
「来年はもっと貯めよう」と考えます

0:12:09.000,0:12:11.000
未来のいつかは と

0:12:11.000,0:12:13.000
そのいつか 我々は自分たちが

0:12:13.000,0:12:15.000
バナナを食べているのを想像はできます

0:12:15.000,0:12:17.000
地域でもっとボランティアをすることとか

0:12:17.000,0:12:21.000
もっと運動するとか あらゆる善行も[br]そうですね

0:12:21.000,0:12:24.000
今 我々はボックスにチェックすること

0:12:24.000,0:12:27.000
そして行動を起こすことの難しさをお話ししました

0:12:27.000,0:12:29.000
「明日はもっと！貯蓄法」は

0:12:29.000,0:12:31.000
これを簡単にしてくれます

0:12:31.000,0:12:33.000
自動操縦のようなものです

0:12:33.000,0:12:37.000
一度あなたが「将来お金を貯めたい」[br]と私に話したら

0:12:37.000,0:12:39.000
たとえば毎年１月に

0:12:39.000,0:12:42.000
あなたは自動的にお金を[br]貯蓄に振り分けることになります

0:12:42.000,0:12:45.000
給料から401(K)プランに天引きするのです

0:12:45.000,0:12:47.000
目にする前に　触れる前に

0:12:47.000,0:12:49.000
即時的満足に

0:12:49.000,0:12:52.000
陥る前に です

0:12:52.000,0:12:55.000
しかし 我々はサルと

0:12:55.000,0:12:57.000
損失回避に対してはどうしたらいいでしょう？

0:12:57.000,0:12:59.000
来年の１月が来て

0:12:59.000,0:13:01.000
貯蓄を殖やすとなると

0:13:01.000,0:13:04.000
人々は支出を控えなければと考えるでしょうが[br]それは苦痛です

0:13:05.000,0:13:07.000
たぶん１月だけ貯金を[br]するのではなく

0:13:07.000,0:13:10.000
お金を稼いだ時には

0:13:10.000,0:13:13.000
もっと貯蓄してもらった方がいいでしょう

0:13:13.000,0:13:16.000
このように お金を稼いだ時や昇給した時

0:13:16.000,0:13:20.000
人々は支出を抑えなくてもいいのです

0:13:20.000,0:13:22.000
彼らは少しでも

0:13:22.000,0:13:24.000
家に持って帰る給料が増えると

0:13:24.000,0:13:26.000
それまでより多く使ってしまう―

0:13:26.000,0:13:28.000
その増加分のうち少しだけ

0:13:28.000,0:13:30.000
401(K)プランに入れてみましょう

0:13:30.000,0:13:32.000
それがこのプログラムのやり方なのです

0:13:32.000,0:13:34.000
お恥ずかしいほど単純です

0:13:34.000,0:13:36.000
しかし我々がこれから見るように

0:13:36.000,0:13:38.000
非常に強力です

0:13:38.000,0:13:40.000
リチャード・セイラーと私が

0:13:40.000,0:13:42.000
これを初めて実践したのは

0:13:42.000,0:13:45.000
1998年にさかのぼります

0:13:45.000,0:13:48.000
アメリカ中西部のある中規模の会社は

0:13:48.000,0:13:50.000
従業員が家計を賄えるだけの

0:13:50.000,0:13:52.000
給料を支払うことに苦心していました

0:13:52.000,0:13:54.000
従業員たちは繰り返し我々に言いました

0:13:54.000,0:13:57.000
「今すぐ貯蓄を殖やすのは無理だ」と

0:13:57.000,0:14:00.000
今日貯めてもらおうとは思っていません

0:14:00.000,0:14:02.000
我々が勧めたのは

0:14:02.000,0:14:05.000
昇給の度に

0:14:05.000,0:14:08.000
貯める額を３％増やすことです

0:14:08.000,0:14:11.000
その結果がこうです

0:14:11.000,0:14:13.000
ここには３年半後の結果を示しています

0:14:13.000,0:14:15.000
４回昇給があり

0:14:15.000,0:14:17.000
貯畜に苦労していた人たちが

0:14:17.000,0:14:19.000
給料の３％を貯め始めました

0:14:19.000,0:14:21.000
３年半後

0:14:21.000,0:14:24.000
貯蓄する割合はほぼ４倍になりました

0:14:24.000,0:14:27.000
ほぼ14％ですね

0:14:27.000,0:14:29.000
靴や自転車

0:14:29.000,0:14:31.000
その他 この図にあるようなもの

0:14:31.000,0:14:33.000
私は単に数値だけを

0:14:33.000,0:14:35.000
お見せしたい訳ではなく

0:14:35.000,0:14:38.000
この事実について考えたいのです

0:14:38.000,0:14:40.000
つまり貯める額を４倍に増やすことが

0:14:40.000,0:14:42.000
人々が豊かなライフスタイルを

0:14:42.000,0:14:44.000
手に入れる点で

0:14:44.000,0:14:46.000
大きな違いを生むのです

0:14:46.000,0:14:48.000
これは現実です

0:14:48.000,0:14:51.000
それは紙切れに書かれた単なる数ではないのです

0:14:51.000,0:14:53.000
３％の貯蓄では

0:14:53.000,0:14:55.000
せいぜい歩くための良いスニーカーを

0:14:55.000,0:14:57.000
買える程度で

0:14:57.000,0:15:01.000
他の物を買う余裕はありません

0:15:01.000,0:15:03.000
しかし14％貯畜したら

0:15:03.000,0:15:06.000
車を停めている所まで歩くために

0:15:06.000,0:15:09.000
お洒落な靴を買えるでしょう

0:15:09.000,0:15:11.000
これが現実の違いです

0:15:11.000,0:15:16.000
今までに 60％の大企業が

0:15:16.000,0:15:19.000
このようなプログラムを[br]実施してきました

0:15:19.000,0:15:22.000
それらは年金保護法の一部として[br]用いられてきました

0:15:22.000,0:15:24.000
そして言うまでもなく　セイラーと私は

0:15:24.000,0:15:27.000
このプログラムの一部に加えて頂き

0:15:27.000,0:15:29.000
大きな違いを生むことができました

0:15:29.000,0:15:31.000
締めくくりとして

0:15:31.000,0:15:34.000
キーとなるメッセージを２つお伝えします

0:15:34.000,0:15:37.000
１つ目は 行動ファイナンスが

0:15:37.000,0:15:40.000
非常に強力であるということです

0:15:40.000,0:15:43.000
今回はたった一つの例にすぎません

0:15:43.000,0:15:45.000
２つ目のメッセージは

0:15:45.000,0:15:47.000
まだすべきことが多くあるということです

0:15:47.000,0:15:50.000
これは氷山の一角にすぎません

0:15:50.000,0:15:53.000
もし人々が住宅ローンに関して

0:15:53.000,0:15:56.000
家を買ってから支払いができなくなったら

0:15:56.000,0:15:58.000
我々はそれについて考えねばなりません

0:15:58.000,0:16:01.000
もし人々が 高すぎるリスクを抱えていても

0:16:01.000,0:16:04.000
それがどの程度のリスクなのか[br]理解していなかったり

0:16:04.000,0:16:06.000
あるいはリスクが低すぎるようなら

0:16:06.000,0:16:08.000
我々はそれについて考える必要があります

0:16:08.000,0:16:11.000
もし１年に1000ドルを費やして

0:16:11.000,0:16:13.000
宝くじを買う人たちがいるのなら

0:16:13.000,0:16:15.000
我々はそれについて考えねばなりません

0:16:15.000,0:16:17.000
平均でみると

0:16:17.000,0:16:19.000
最高記録はシンガポールです

0:16:19.000,0:16:21.000
平均的な世帯が

0:16:21.000,0:16:24.000
宝くじに年間4000ドル費やしています

0:16:24.000,0:16:26.000
すべきことは たくさんあります

0:16:26.000,0:16:28.000
同様に 退職に関する領域にも

0:16:28.000,0:16:31.000
解決すべきことがたくさんあります

0:16:31.000,0:16:33.000
つまり退職後のお金の使い方を

0:16:33.000,0:16:35.000
考える際にです

0:16:35.000,0:16:37.000
最後に１つだけ質問させて下さい

0:16:37.000,0:16:40.000
皆さんのうち何人が

0:16:40.000,0:16:42.000
「退職に向けて非常に堅実な

0:16:42.000,0:16:45.000
計画を持っている」[br]と安心しておられますか？

0:16:45.000,0:16:47.000
あなたが退職する時

0:16:47.000,0:16:50.000
そして社会保険給付を請求する時

0:16:50.000,0:16:52.000
どんなライフスタイルを望みますか

0:16:52.000,0:16:54.000
お金が足りなくならないようにするには

0:16:54.000,0:16:56.000
毎月いくら使えますか？

0:16:56.000,0:16:59.000
「自分には堅実な将来計画がある」と[br]感じている方は何人おられますか？

0:16:59.000,0:17:03.000
退職後の決定の際に

0:17:04.000,0:17:07.000
１ ２ ３ ４

0:17:07.000,0:17:09.000
非常に洗練された聴衆の中でも

0:17:09.000,0:17:11.000
３％に満たないですね

0:17:11.000,0:17:14.000
行動ファイナンスはまだまだこれからです

0:17:14.000,0:17:16.000
たくさんの機会を通じて

0:17:16.000,0:17:20.000
繰り返しそれを強力なものにしていけます

0:17:20.000,0:17:22.000
ありがとうございました

0:17:22.000,0:17:24.000
(拍手)